2008 Fiscal Year Annual Research Report
地域における貴重な社会資本としての地方鉄道の活かし方に関する研究
Project/Area Number |
20360230
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中川 大 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (30180251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松中 亮治 京都大学, 工学研究科, 准教授 (70303849)
大庭 哲治 京都大学, 工学研究科, 助教 (80464197)
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Keywords | 公共交通 / 地方鉄道 / 採算性 / 利便性向上 / 土地利用 |
Research Abstract |
1 地方鉄道問題の構造整理と事例研究 ・地方鉄道問題の構造分析(問題構造の理論的な分析) 利便性向上が進まない地方鉄道路線の現状について、利便性を大きく向上させることによって、低密度に拡散しつつある現在の都市構造を、コンパクトな都市に変革していくことが可能であることをモデル分析により示した。 ・先進的事例の分析(鉄道の社会的評価を基本とした具体事例の分析) 一畑電車(島根県)・万葉線(富山県)など地域の鉄道として再生されている地方鉄道について、その背景とプロセスを分析し、地方鉄道への取り組みが進みはじめていることを示すとともに、そこから得られる利点や課題についても整理した。 2 都市政策との関係に関する分析 ・都市計画における都市鉄道の位置づけに関する分析 地方鉄道の多くは都市計画的な位置づけが十分ではなく、駅周辺が市街化調整区域や白地地域になっているところも少なくない。本研究では、わが国の地方鉄道が現状では都市計画のなかでは十分な役割を果たしていないことを定量的に明らかにした。 ・都市構造の中での鉄道の中心性に関する実態分析 地方鉄道が都市計画的な位置づけに乏しいことから駅周辺には住宅・業務等の立地は進まず、結局、近年の立地はバイパス沿いなど、自動車利用を前提とした場所に拡散してきた。その結果、駅周辺人口の都市全体人口に占める割合は多くの都市で低下するなど、都市において鉄道が中心性を失いつつある状況が発生している。また、そういった状況には、鉄道の利便性が大いに影響している。そこで、本研究では、鉄道の運行頻度と駅周辺人口の都市全体人口に占める割合との関係を定量的に明らかにした。
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