2008 Fiscal Year Annual Research Report
詳細属性を含む世帯の空間分布予測のためのマイクロシミュレーションシステム
Project/Area Number |
20360232
|
Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮本 和明 Musashi Institute of Technology, 環境情報学部, 教授 (90150284)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北詰 恵一 関西大学, 環境都市工学部, 准教授 (50282033)
井ノ口 弘昭 関西大学, 環境都市工学部, 助教 (10340655)
鈴木 温 名城大学, 理工学部, 助教 (00356073)
|
Keywords | 都市モデル / 土地利用モデル / マイクロシミュレーション / 世帯属性 |
Research Abstract |
まず、土地利用マイクロシミュレーションにおける基準年の側々の世帯に関するデータ(マイクロデータ)の推定手法に関して、その最初の段階として4人世帯を対象に、サンプルデータから得られる属性間の相関情報と既存続計からの制約時報を利用して構築した。さらに、このようなマイクロデータの観測値と推計値の適合度評価に関して既存手法がないことが判明したことから、個々の世帯に関する観測および推定マイクロデータ間の距離を定義し、対象地域における全世帯の乖離量距離の最小和によって適合度を定義し共生進化に基づく遺伝的アルゴリズム(GA)に基づく計算手法を構築した。これらは基礎的な段階ではあるが、実データに基づいてその有効性を確認した。 一方、マイクロシミュレーションシステムの基本的な挙動特性を把握するため、実際の道央都市圏を想定した25個のグリッドで構成される仮想都市に人口1、000人を居住させ、実データから得られたパラメータを用いた簡易モデルを構築した。これにより、将来発生する可能性のあるさまざまな世帯空間分布を推計し、都市政策のリスクマネジメントに対する有効な情報となることを確認した。 また、パーソナルコンピュータを基本としたシミュレーションに欠かせない並列処理のパフォーマンスを、120万サンプルのマイクロデータに対する4台のコンピュータのパラレルシステムで検討した。Linux Cent OS上で、Scoreクラスタシステムを用いて並列化可能な出生モデルと土地利用モデル部分を4台のCPUに分担させることによって、台数割した時間よりも短い計算時間を実現し、大きな効果があることが確認できた。 さらに、現実の住宅市場に関して、住宅の供給行動に関するマイクロシミュレーション型モデリングの基本的な枠組みを整理した上で、サーチ理論を援用することにより、局所的な価格形成メカニズムに関しての基本モデルを構築した。
|