2008 Fiscal Year Annual Research Report
トキシコゲノミクス的アプローチによる重金属-農薬複合毒性の解析
Project/Area Number |
20360235
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岡部 聡 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 教授 (10253816)
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Keywords | 複合毒性評価 / DNAマイクロアレイ / 重金属 / 農薬 / HepG2細胞 |
Research Abstract |
本年度は、重金属(ヒ素、カドミウム_グロミウム)および農薬(グリホサート、モリネート)単独暴露における応答遺伝子の検索およびライブラリーの構築を行った。対象細胞としてはヒト肝細胞癌由来細胞株HepG2を用いて、一般的な重金属と日本国内で広く用いられている農薬を用いて、これらの物質によって誘導される遺伝子(群)をDNAマイクロアレイ技術を用いて網羅的に検索した。まず各被検物質に対する基礎細胞毒性試験を実施し、最適暴露条件(暴露濃度および暴露時間)を決定した。細胞毒性試験にはニュートラルレッド法を適用した。基礎細胞毒性試験の結果決定された各物質の暴露条件下でHepG2細胞を培養した後、RNAを抽出し、逆転写反応、遺伝子断片の蛍光標識を行って、ヒト遺伝子DNAマイクロアレイ上のプローブとハイブリダイズさせ、プローブとハイブリダイズした遺伝子断片はアレイリーダーを用いて蛍光測定し、発現変動した遺伝子を同定した。非暴露細胞における発現プロファイルと比較し、その発現変化が大きい遺伝子(群)を順次選択し、重金属および農薬応答遺伝子ライブラリーを構築した。さらに、重金属および農薬暴露系において、特異的に発現する遺伝子(群)(遺伝子マーカー)を探索した。しかしながら、DNAマイクロアレイ解析による遺伝子発現量のデータは定量性に欠けるため、ターゲット遺伝子として選定するために、定量PCRによる正確な当該遺伝子の発現量を測定し、マーカー遺伝子を探索した。重金属一農薬の混合暴露時における遺伝子発現変動パターンについて検討を開始した。農薬一重金属混合暴露時の細胞生存率(ニュートラルレッド法)を測定し、単一物質暴露時と比較して毒性が有意に増強もしくは減弱する条件(濃度の組合せ)を求めた。
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Research Products
(2 results)