2008 Fiscal Year Annual Research Report
下廃水処理プロセス中バクテリオファージの水処理性能との関連の解明と応用
Project/Area Number |
20360238
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 弘泰 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (90251347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
味埜 俊 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (60166098)
中井 裕 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (80155655)
小田和 賢一 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教 (00451550)
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Keywords | 下水処理 / 活性汚泥 / バクテリオファージ / パルスフィールドゲル電気泳動法 / DNAポリメラーゼ / 宿主細菌 |
Research Abstract |
本年度はバクテリオファージの解析に供するための実験室活性汚泥リアクター(人工下水によるもの、および畜産排水によるもの)の運転を開始し、試料採取の体制を検討した。また、バクテリオファージおよびその宿主について解析するために、以下のような検討を行った。 まず、モデルファージとしてλファージのDNAをDNA Polymeraseを用いて増幅する検討を行った。良好に増加させることができたものの、DNAを添加しない対照系においてもDNA増幅産物が生成してしまった。産物が生成されるまでの時間はDNAを添加した場合と対照系では異なっていた。今後、反応時間について検討を進め、ファージDNAの所要量と適切な反応時間の関係を求める。 また、バクテリオファージによって溶菌された宿主細菌由来の核酸が下水処理過程で上澄水中に放出されてくる可能性がある。そこで、実験室にて運転する活性汚泥リアクターからの処理水を0.2μm孔径のろ紙でろ過し、その中のDNAおよびRNAをPCR法またはRT-PCR法(逆転写PCR法)により増幅できないか検討を行った。試料は生成せず、直接PCR法またはRT-PCR法に供した。DNAについては16SrRNAの部分塩基配列を対象とするプライマーを用いてPCR反応を行なった。35サイクルの増幅により、ごくわずかであるが産物を得ることができた。試料を濃縮することで産物の量を増やすことができないか険討する。一方、RT-PCR法を用いた場合は35サイクルにてその後の解析(クローニング、T-RFLP法等)を行うに十分な量の産物を得ることができた。しかし、処理水中のRNA分子は分解速度がはやいものと考えられ、実際、RNA分解酵素の阻害剤を利用しない場合は産物を得ることができなかった。
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Research Products
(2 results)