2010 Fiscal Year Annual Research Report
生態リスクの高い残留医薬品汚染の影響と制御に関する研究
Project/Area Number |
20360240
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 宏明 京都大学, 工学研究科, 教授 (70344017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 尚之 京都大学, 工学研究科, 講師 (90391614)
中田 典秀 京都大学, 工学研究科, 助教 (00391615)
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Keywords | 残留医薬品 / 下水処理場 / 活性汚泥法 / 汚泥処理 / オゾン処理 / 促進酸化処理 / サロゲート法 / 下水汚泥 |
Research Abstract |
生活で使われている医薬品類は『低濃度で』かつ『特異的に』作用するように作られているため、影響は広範囲に及ぶ可能性があるが、長期にわたる飲み水を経由した人体影響や水生生態系への複合影響はよく分かっていない。我が国での関心が高まっているが、科学的知見は不足し、緊急に知見を収集する必要がある。このため、分析可能な医薬品類約70種類を対象に、汚泥を含めた下水および下水処理水中の存在濃度を把握し、下水処理での除去機構を解明し、医薬品類の下水処理除去率の推定技術開発のための基礎情報を集めること、下水処理から発生する汚泥処理での医薬品類の挙動を調査し、汚泥の農業への有効利用などの際のリスク評価の基礎情報を収集すること、環境影響の視点から重要性の高い医薬品類のオゾンおよび促進酸化処理での除去機構を解明し、化学的酸化による除去の効率化と安全性の検討を行うことを目的として、平成22年度は、以下の事項を研究した。 (1)分析技術の開発 汚泥からの抽出の簡易化に関する検討を行い、サロゲートのある医薬品からサロゲートがない医薬品の回収率を補正する代替サロゲート方法を開発した。 (2)下水処理場挙動解明実験と調査 これまで検出されている約60物質の溶解態・懸濁態を対象に水処理系でのSRTなどの運転条件が異なる下水処理場での挙動を消化など汚泥処理過程を含めてとらえ、運転条件との関係を検討した。 (3)オゾン・AOPによる除去の評価 環境影響が懸念される医薬品類を下水処理水に添加し、オゾン、AOPでのバッチ分解実験し、対象物質濃度の時間変化を把握した。
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Research Products
(17 results)