2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20360243
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
森田 重光 Azabu University, 環境保健学部, 准教授 (50318888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 温 阿南工業高等専門学校, 建設システム工学科, 講師 (30332068)
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Keywords | 新興病原微生物 / E型肝炎ウイルス / クリプトスポリジウム / 排水処理 / 除去・不活化 |
Research Abstract |
(1)原虫およびウイルス濃度の定量的評価方法の開発 精製工程における(オー)シストの損失を補正するために用いるトレーサとしてCryptracer(ポリメチルメタアクリレート製樹脂)とColorSeed(Texas red染色クリプトスポリジウム)を,流入下水に既知量添加し,ショ糖浮遊法,酢酸エチル抽出法,免疫磁気ビーズ法で精製したときの回収率を算出した。その結果,Giardiaをショ糖浮遊方で回収するときは比重1.25のショ糖液を用いる必要があることが明らかとなった。 (2)原虫およびウイルスの濃度レベルの評価 前項で開発した定量法を用いて下水処理場の流入水および放流水,養豚場の廃水処理施設の流入水および放流水を採取し,原虫およびウイルス濃度を測定した。その結果,下水処理場への流入水中のウイルス濃度およびジアルジア濃度には変動が見られなかったが,クリプトスポリジウム濃度はアウトブレイクの影響と見られるピークが認められた。また,畜産廃水中のE型肝炎ウイルス濃度は夏に低く冬に高い傾向が認められた。 (3)原虫およびウイルスの除去率の評価 下水処理場および養豚場の廃水処理施設への流入水と放流水中の濃度から,クリプトスポリジウム,ジアルジア,E型肝炎ウイルス,アデノウイルス,サポウイルスの除去率を算出した。その結果,下水処理による原虫,ウイルスの除去率は概ね99%以上であったが,バルキングが生じると90%以下に低下することが明らかとなった。
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