2008 Fiscal Year Annual Research Report
性能可変オイルダンパーにより長周期巨大地震時の免震建物過大変位を抑制する技術開発
Project/Area Number |
20360246
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 範夫 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (50250725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 則男 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (60292249)
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Keywords | 性能可変ダンパ / 免震建物 / 長周期巨大地震 / 過大変位 / 応答抑制 / 振動実験 / 地震応答解析 / 減衰特性 |
Research Abstract |
新たに考案して特許申請している性能可変オイルダンパーの縮小モデルを製作した。このダンパーを東北大学所有の振動台に取り付けて単体加振実験を行い、所定の変位に達すると小型シリンダーが作動してダンパーの減衰性能が大きくなることを確認した。また、さまざまなパラメータで加振して、性能可変前、後の減衰係数を明らかにするとともに、減衰特性が変化する折れ点のダンパー力の大きさが、小型シリンダーの変位に比例して変化することを示した。これらの結果を基にして性能可変ダンパーの解析モデルを作成した。 続いて、1層鉄骨造免震試験体にこの可変ダンパーを設置した振動実験を行った。入力波として記録地震波を採用して実験を行った結果、性能可変させない通常のオイルダンパー設置時の免震層応答変位に対して、可変させた場合にはその値を大幅に抑制できることが分かった。また、可変した際に生じる上部構造物の応答加速度の上昇はそれほど大きくならないことも示した。さらに、単体加振実験に基づいて作成したモデルを用いてシミュレーション解析を行った結果、実験結果とのよい対応が見られ、解析手法の妥当性を明らかにした。 さらに、木造免震住宅を想定して、過大応答を抑制するための可変オイルダンパーを設置した場合の地震応答解析を行い、上部建物の応答加速度をあまり上昇させないで、免震層の応答変位を抑制できる可能性を明らかにした。
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