2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20360247
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
金久保 利之 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (90261784)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松島 亘志 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (60251625)
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Keywords | 付着 / 付着割裂 / 鉄筋あき間隔 / 配向性 / 配向角 / 打設方向 / 引張強度 / 可視化 |
Research Abstract |
1.ECCと鉄筋との相互作用に関する実験 平成21年度の研究により、ECCのひび割れ間隔は鉄筋の有無により影響を受けることが明らかとなり、この現象はECCと鉄筋との相互作用、すなわち付着特性によるものと考えられた。本年度は、付着長が主筋径の4倍の局所付着試験体および実部材中での応力状態を模した単純梁型付着試験体を作製し、加力実験を行った。ECCは繊維架橋力によりひび割れの開口を大きく抑制することが可能であるので、通常のコンクリートで見られる付着割裂破壊に対して有効である。したがって、付着割裂性状を支配する主筋周りのECCのかぶり厚さをパラメータとし、さらに、通常のコンクリートでは行われない鉄筋あき間隔が1.5倍以下の領域において検討を行った。その結果、付着強度はコンクリートの場合より大きく増加し、ECCの引張強度を利用した評価式を提案した。 2.X線CTによる繊維配向性の可視化 平成21年度中に取得したECCのCT画像を用いて、内部繊維の3次元可視化および配向性の定量的評価を行った。得られた画像の量は膨大であるので、その中の繊維と考えられる部分の画素情報から教師データを作成し、その平均値とばらつきから繊維座標情報を取得した。それらを3次元空間上にプロットすることにより3次元可視化を行うことができた。さらに有限領域に分割した際の座標点を、二乗誤差がもっとも小さくなるように直線近似し、その直線の傾きにより繊維配向角を表現した。その結果、繊維配向角にもっとも影響を及ぼす要因はECCの打設方向であり、マトリックスの流れの方向に繊維が配向する傾向が大きいことが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)