2011 Fiscal Year Annual Research Report
歴史的組積造建造物の保存・再生・活用に向けた耐震改修技術の開発
Project/Area Number |
20360253
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
荒木 慶一 京都大学, 工学研究科, 准教授 (50324653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福本 早苗 武庫川女子大学, 生活環境学研究科, 教授 (20434938)
高木 次郎 首都大学東京, 都市環境学研究科, 准教授 (90512880)
SANJEY Pareek 日本大学, 工学部, 准教授 (20287593)
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Keywords | 組積造 / 耐震補強 / 歴史的建造物 / 接着剤 / 鋼棒 / 有限要素解析 / ポリマーセメント / 超弾性合金 |
Research Abstract |
(a)無機系接着剤の検討 これまで,鋼材棒挿入時には有機系接着剤であるエポキシ樹脂を用いてきた.しかし,有機系接着剤に対しては耐久性,耐火性,コストの面で課題が残り,提案補強法の普及に向けて大きな障害となっている.昨年度までにポリマーセメントモルタルを接着剤として用いる手法について検討を行い,前処理やポリマーなど多数の配合の組合せに対して強度などの構造性能のみでなく,施工性を踏まえた実験的な検討を実施してきた.本年度はこれらの実験を継続して行うとともに,以下の(c)で述べる汎用非線形3次元FEMプログラムDIANAを用いてポリマーセメントモルタルの付着特性をふまえた有限要素モデルを作成した。 (b)超弾性合金の利用による残留変形抑制に関する検討 昨年度まで1/2スケールの煉瓦を用いた縮小試験体振動台実験を実施し、超弾性合金の利用による残留変形の抑制効果を実証した.本年度は,DIANAを用いて非線形有限要素解析を行いモルタル強度などの不確定要因に対する確率的評価を行った,またこの成果をとりまとめ,国際専門誌に論文を投稿した. (c)無補強及びピンニング補強煉瓦壁の力学モデル構築 昨年度に引き続き、これまでの実験結果ににづき,無補強及びピンニング補強を施した煉瓦壁の強度や変形性能などに関する力学モデルと補強効果評価式を提案した.さらに,FEMやファイバーモデルを用いた解析を行うための材料・要素レベルでの履歴則を構築した,昨年度実施した汎用非線形3次元FEMプログラムDIANAを用いた無補強煉瓦壁のせん断破壊プロセスの評価結果を基に,今年度は金属棒挿入補強壁の有限要素モデル化を行なった.以上の成果を国際会議などで発表するとともに,国際専門誌に投稿し掲載された.
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