2008 Fiscal Year Annual Research Report
人間の安全性に配慮した化学機器併用式オルファクトメーター開発に関する研究
Project/Area Number |
20360264
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩下 剛 Musashi Institute of Technology, 工学部, 教授 (90253905)
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Keywords | 知覚空気質 / オルファクトメーター / 嗅覚パネル / 安全性 / GC / MS法 |
Research Abstract |
室内で対象臭気と無臭空気を混合して被験者に臭気を嗅がせる装置(室内臭気オルファクトメーター)を作成した。これは無臭空気と対象臭気の混合比を段階的に調整し、混合空気を被験者に一定流量で嗅がせる装置である。GC/MS法で用いるチャンバー法とは異なり、嗅覚測定では一定流量の空気を鼻腔に送風しないと、被験者が通常の呼吸で用いる吸引量とは異なってしまうため、一定流量の混合空気を強制的に被験者の鼻腔に送るようなシステムである。本オルファクトメーターは北欧の基準NORDTESTに準拠したスペックとなっており、居住空気の評価、建材からの臭気発生量の算定などに使用が可能である。また、オルファクトメーターにはGC/MS(もしくはHPLC)計測のためのポートも設置してあり、官能検査の事前に対象空気の安全性を化学測定によって確認ができる。 上記の室内臭気オルファクトメーターを用いて、自動車車室内、居室内空気の知覚評価を行った。自動車の乗員や在室者は入室後の経過時間につれ、嗅覚疲労により順応が起きてしまうため、正確な評価ができない。そこで来室者を想定した嗅覚パネルが、オルファクトメーターを用いて臭気強度を評価することにした。当該実験の事前にはGC/MS法により、対象空気がシックハウスガイドラインの基準濃度以下であることを確認した。本研究により嗅覚疲労で正確な知覚空気質評価ができない環境での空気環境評価法を提案した。
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