2010 Fiscal Year Annual Research Report
人間の安全性に配慮した化学機器併用式オルファクトメーター開発に関する研究
Project/Area Number |
20360264
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩下 剛 東京都市大学, 工学部, 教授 (90253905)
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Keywords | 知覚空気質 / 臭気強度 / オルファクトメーター / 参照ガス / におい袋 / パネル訓練 |
Research Abstract |
現在の日本における臭気評価では、公害問題を背景とした屋外臭気(いわゆる悪臭)を対象とし、臭気をサンプルバッグに捕集した後、臭いを感じなくなるまで希釈していくことによって臭気濃度を求めていることが多い。しかし、建材、体臭などの室内臭気を対象とする場合、無臭空間を実現することが目的ではなく、閾値以上の臭気レベルの、どの状態が許容できるのかを判定することが必要となる。また、対象臭気を知覚測定する前にGC/MS分析等の化学分析を行うことが、被験者の安全を確保するためにも必要な手段と考え、化学分析を先行させるシステムを構築した。本研究は、ヨーロッパ臭気規準CEN13725およびISOドラフト版の知覚空気質測定法を参考に、GC/MS分析を併用したオルファクトメーターの開発を行った。 最終年度である平成22年度は、初年度に作成したオルファクトメーター、二年度に作成した小型チャンバーを用いて建材などからの臭気を評価する際に用いる参照ガス提示ユニットを作成し、一連の知覚空気質評価システムを完成させた。知覚空気質評価には、個人差などを考慮して、多くの被験者が必要とされるが、時間やコストの面からみると被験者数を抑えることは望ましいことである。ドイツの建材評価スキームAgBBでは、数段階の濃度レベルを表現できる参照ガス提示ユニットを用いて、対象臭気と等価の参照ガスレベルを申告する手法を用いれば被験者数を減少することが可能となるとしている。本研究では、参照ガスとして体臭の一成分であるアセトンを用い、4段階の濃度レベルの参照ガスを被験者に嗅がせ、実際にチャンバーから出てくる臭気を嗅いだ感覚と等しい臭気強度を知覚する参照ガスレベルを申告する評価方法を構築した。
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