2009 Fiscal Year Annual Research Report
マルチフェロイクスに関するマルチスケールシミュレーション
Project/Area Number |
20360287
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
毛利 哲夫 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 教授 (20182157)
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Keywords | 金属物性 / 表面・界面物性 / クラスター変分法 / 連続変位クラスター変分法 / マルチフェロイクス |
Research Abstract |
原子集団変位とこれに伴う相変態が誘起する種々多様な力学特性と他の物性とのカップリング現象の原子レベルの起源を明らかにし、これを機能化する上での理論的知見を得ることが大きな目的である。特に本研究では応力-歪特性に焦点を置き、他の熱力学変数との交差相関を探求する。この為に、従来のクラスター変分法を連続空間に拡張した連続変位クラスター変分法の定式化を行った。この計算では、二次元正方格子上の規則-不規則変態に着目し、変態点が従来のクラスター変分法の計算と、連続変位クラスター変分法により原子の局所変位を考慮した計算でどのように変わるかを調べた。明らかに後者では大きな変態温度の低下がみられ連続変位クラスター変分法の有効性を確認した。又、格子軟化の効果を調べるためにquasi-harmonic近似を用いた自由エネルギーの計算を行い、これと連続変位クラスター変分法の比較検討も行った。次に、界面の原子配列の詳細構造を計算する為に、従来のクラスター変分法を拡張し、規則不規則変態に伴う逆位相境界の原子配列の計算を行った。連続体近似を用いてこのような計算を行うとhyperbolic tangent型のプロファイルが得られるが、本計算においても同様なプロファイルの得られることを確認した。又、界面の幅の温度依存性についても検討を行った。変態温度に近づくにつれて界面の幅は増大するが、二次元正方格子上の規則-不規則変態は二次変態であるにも関わらず界面幅の無限大への増大は認められなかった。これはクラスターサイズの大きさが十分に大きくない為と思われる。
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Research Products
(13 results)