2010 Fiscal Year Annual Research Report
マルチフェロイクスに関するマルチスケールシミュレーション
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20360287
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
毛利 哲夫 北海道大学, 大学院・工学研究院, 教授 (20182157)
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Keywords | クラスター変分法 / 界面プロファイル / 規則-不規則変態 / 交差相関 / 界面勾配エネルギー |
Research Abstract |
原子の集団変位とこれに伴う相変態が誘起する種々多様な力学特性と他の物性とのカップリング現象を解明し、機能化する研究は未だ十分に成されていない。熱力学的に共役でない変数間のカップリングを交差相関と呼ぶが、本研究では応力-歪特性に焦点をおき、他の熱力学変数との交差相関を探求することを目的とした。このような特性の発現には界面の効果が重要であり、クラスター変分法を用いて逆位相界面における原子配列の詳細計算を行うために、二次元正方晶の規則-不規則変態を対象に規則度の界面プロファイルを算出した。しかし、従来の界面プロファイルの計算では、原子種のサイズ効果が考慮されていない。サイズ効果には2種類あり、一つは格子の一様な膨張や収縮に寄与する効果、他方は局所変位の効果である。前者に対しては、配列の自由エネルギーの極小化に加えて、全系の圧力を0にする条件を付加的な拘束条件として導入することで考慮することができたが、一般に逆位相界面は不規則領域になっており、ここでは原子配列が位相を逆転させながら遷移していくだけではなく、原子の大きな局所変位を伴っている。これを検討するために、連続変位クラスター変分法を用いて原子の局所変位が相平衡に及ぼす影響の理論計算を行った。連続変位クラスター変分法では、異なった準格子点に変位した原子を異なった原子種として取り扱うために、超多元系の有効相互作用エネルギーを求める計算を実行する必要がある。このためには従来のクラスター展開法を多元系に拡張していくことが必須であり、121元系に対する計算を実行した。又、実合金の3次元格子に対しては準格子点の数が飛躍的に増大する為、準原子種の数は1331(11x11x11)になる。対近似ながら、面心立方格子に対してこのような理論計算を行うことに成功した。
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Research Products
(17 results)