2008 Fiscal Year Annual Research Report
Ti-Ni形状記憶合金における未解明な現象の解析と新機能の創出
Project/Area Number |
20360291
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西田 稔 Kyushu University, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (90183540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 英治 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (80180280)
板倉 賢 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 准教授 (20203078)
波多 聰 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 准教授 (60264107)
池田 賢一 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助教 (20335996)
松田 光弘 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助教 (80332865)
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Keywords | 自己調整構造 / 第I種双晶 / 第II種双晶 / 変位型誘起逆位相界面 / 変位ベクトル / 多段階変態 / 粒界面構造 / 透過電子顕微鏡 |
Research Abstract |
Ti-Ni系形状記憶合金の基礎物性の分野において問題とよっている諸現を,透過電子顕微鏡(TEM)を駆使して系統的に解析し,得られた結果を基に本合金の特性改善と新機能創出の可能性を探ることを目的とした.また,類似の挙動を示すTi-Pd, Ti-Pt, Ni-Mn-Ga形状記憶合金についても解析を行った. 1.マルテンサイトの自己調整構造. 自己調整構造の最小単位として2つの晶癖面バリアントが{11-1}第I種双晶を結合面としてV字型の形態を呈し,これらが3つクラスターした6バリアントモデルが理想的形態であることを提案し,TEM観察および結晶学的理論(現象論)からその妥当性を検証した. 2.マルテンサイト第II種双晶界面の構造. 引張変形により<011>第II種双晶界面を移動させた試料の高分解能TEM観察を行い,界面の移動後もレッジ・ステップ構造が存在しないことを明らかいした. 3.マルテンサイト結晶中の逆位相界面. マルテンサイト結晶中の逆位相界面が変位型変態によって誘起されることをTEM内その場観察によって明らかにし,その変位ベクトルをR=<0.1648 1/2-0.4328>と決定した. 4.Ni過剰Ti-Ni合金時効材の多段階マルテンサイト変態. 多段階マルテンサイト変態の変態位置と試料のNi濃度,Ti_3Ni_4析出相のサイズと析出間隔(時効温度と時間),母相結晶粒径の関係を系統的に調査し,変態位置に関するTTTマップを作成した. 5.異常延性の起源と粒界構造との関係. 多結晶試料において粒界構造を解析するための粒界制御法の改良を行い,より確実にΣ29以下の低エネルギー<110>対称傾角粒界の出現頻度を高めることに成功し,(112)Σ3,(114)Σ9,(113)Σ11粒界の高分解能TEM観察を行なった. 上記以外に広い変態温度ヒステリシスを持ち,かつ,水素透過合金としても注目を集めているTiNi-Nb擬2元系共晶合金のTiNi(B2)相とNb固溶体(bcc)相の形態および結晶学的特徴を明らかにした.
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Research Products
(22 results)