2010 Fiscal Year Annual Research Report
Ti-Ni形状記憶合金における未解明な現象の解析と新機能の創出
Project/Area Number |
20360291
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西田 稔 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (90183540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 英治 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (80180280)
板倉 賢 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 准教授 (20203078)
波多 聰 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 准教授 (60264107)
池田 賢一 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助教 (20335996)
光原 昌寿 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助教 (10514218)
松田 光弘 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助教 (80332865)
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Keywords | 自己調整構造 / 第I種双晶 / 第II種双晶 / 変位型誘起逆位相界面 / 変位ベクトル / 多段階変態 / 粒界構造 / HAADF-STEM |
Research Abstract |
Ti-Ni系形状記憶合金の基礎物性において問題となっている諸現象を,透過電子顕微鏡(TEM)を駆使して系統的に解析した.平成22年度は特に下記の4点について詳細な調査を行った. 1.B19'マルテンサイトの自己調整構造 前年度に明らかにした自己調整構造に特有の4つの晶癖面バリアント界面の高角散乱環状暗視野(HAADF-STEM)観察を行い,それらの結晶学的特徴が現象論解析と良い一致を示すことを明らかにした.さらに自己調整構造の選択は合金濃度に依存することを見出した.すなわちNi濃度の上昇に伴い2バリアント構造から6バリアント構造へ明瞭に遷移することが示された.さらにこれらのバリアント観察において低加速FE-SEMの角度選択型反射電子像および逆変態レリーフの利用が有効な手段となり得ることを明らかにした.本項の成果は本合金の結晶学において長年の懸案であった自己調整構造の論議に終止符を打つものである. 2.マルテンサイト第II種双晶界面の構造 〈011〉_<B19'>第II種双晶界面のHAADF-STEM観察を行い,双晶界面にはLedge-Step構造が存在しないことを示した. 3.マルテンサイト結晶中の逆位相状界面 B19'マルテンサイト中の逆異相状界面の変位ベクトルをR=〈-0.1648 1/2 0.4328〉と決定し,一種の積層欠陥と定義できることを明らかにした. 4.Ni過剰Ti-Ni合金時効材の多段階マルテンサイト変態 FIB-SEM観察により多段階変態の原因となる結晶粒界近傍から粒内における析出粒子の3次元分布を定量化し,変体挙動との相関を示した. 上記以外にマルテンサイト変態を利用した高延性B2型金属間化合物Zr-Co-Pdを開発した.
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Research Products
(9 results)