2010 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化反応による酸化物粒子膜の発達したナノ構造制御と高次機能性
Project/Area Number |
20360293
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
殷 しゅう 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (40271994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 次雄 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (90091694)
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Keywords | 自己組織化 / 酸化物 / 粒子膜 / ナノ構造 / 光触媒活性 / サイズ制御 / 高次機能性 |
Research Abstract |
H21年度に引き続き、H22年度では、環境にやさしいソフト溶液プロセスによる酸化亜鉛粒子及び膜の精密形態制御及びこれらの特殊な形態に由来する新しい機能性について検討した。東日本大震災の発生を起因して、当初より延遅が発生した。 反応条件を厳密に制御することによって、合成された酸化亜鉛粒子表面における溶解-再析出の制御によって、大きな表面積を有する粒子の合成に成功し、こうした手法はロッド状粒子のみにならず、ナット状、球状等の粒子にも適用でき、柱状中空粒子及びフラワー状等のユニークな粒子の合成に成功し、高い比表面に由来する優れた吸着特性によって、高い光触媒活性も実現した。さらにクエン酸ナトリウムを添加剤として用い、酸化亜鉛の結晶面に選択的吸着させることによって、c-軸方向に選択的成長させることが可能であり、長さ50μm以上、アスペクト比50以上の酸化亜鉛ファイバー粒子の合成にも成功し、塩化物前駆体を利用することによって板状酸化亜鉛粒子の合成とサイズ制御できることが明らかにした。アルミニウム或はガリウムをドープすることによって粒子の導電性向上が確認され、Gaをドープした酸化亜鉛について、32.9Ω・cm程度の圧粉抵抗を実現し、厚み12.5μmの薄膜では、いずれも紫外線に対し吸収特性が確認でき、優れた可視光透明性を示し、400nm-700nmの可視光領域では約80%の透明性を実現した。溶液プロセスにおいて、誘電率や吸着特性の異なる有機溶媒を添加することによって、異なる結晶面におけるイオンの吸着を制御し、粒子形態及びサイズを精密に制御できる手法を確立し、粒子及び薄膜の形態・サイズに依存する機能性制御ができることを明らかにした。また、球状・短いロッド状粒子を湿度センサとしての利用される時、高感度を実現した。 なお、酸化亜鉛以外の酸化物・粒子膜についても検討を行い、形態制御による新しい機能材料の高次機能性を実現できることを明らかにした。
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Research Products
(51 results)