2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20360294
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松本 祐司 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 准教授 (60302981)
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Keywords | 酸化物 / 薄膜 / 電気化学 / 光化学 / 表面・界面 |
Research Abstract |
本研究課題では、研究代表者が見つけた二酸化チタンヘテロ構造薄膜上での光触媒反応の異常な膜厚・基板・添加物効果を基板-薄膜ヘテロ界面での電荷移動や光吸収プロセスの観点から解明するために、以下の研究内容を通じて、エピタキシャル二酸化チタンヘテロ界面の光電気化学研究を推進することを目的としている。 (1)UHV-電気化学セル(EC)と直結したPLDシステムの開発 (2)種々のヘテロ界面を有するTiO_2エピタキシャル電極を設計し、電気化学特性を評価 (3)TiO_2光触媒の異常な膜厚依存性やV添加効果の起原を解明 平成21年度4月~9月は、薄膜を作製するパルスレーザー堆積装置に大気暴露せず電気化学測定が可能な電気化学セルを組み込んだ新しいシステムを完成させた。方、大気下での電気化学測定では、Nbを添加した二酸化チタン単結晶において、Mott-Schottkyプロットの非線形挙動から、誘電率の電界依存性を見積もり、c軸に沿った誘電率がab面内のそれよりも大きい電界依存性を示すことを見出した。また、硝酸銀水溶液中での光電気他学反応でも、Nbを高濃度に添加した二酸化チタンにおいても、水の酸化反応ではなく、優先的に銀の酸化物が生成することを見いだした。また、チタン酸ストロンチウム、二酸化チタンともに、その光反応選択性が電位によって変化する、というこれまでにでないまったく新しい現象を見いだした。
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