2010 Fiscal Year Annual Research Report
水溶液科学に立脚した階層的集積化ナノセラミックスの合成と界面機能分野への応用
Project/Area Number |
20360302
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
今井 宏明 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70255595)
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Keywords | バイオミネラル / バイオミメティック / 酸化スズ / マンガン酸リチウム / リチウム電池 / リン酸カルシウム / 水酸アパタイト / 細胞培養 |
Research Abstract |
本研究の目的は、階層的集積化ナノ結晶の制御法の開発と界面機能物性の評価およびその合成法へのフィードバックである。最終年度では、3年間の総括として電気化学機能・生体機能・光触媒機能に関する実績が得られている。ここでは、特に電極機能および生体機能について階層的ナノ結晶の可能性が示された。 (1)酸化物およびリン酸塩ナノセラミックスによる電極機能への展開これまでの成果として、水溶液系における有機分子制御による結晶成長法によりMn系酸化物を合成し、その階層構造の制御をおこなってきた。ここでは、水熱処理および熱処理条件の最適化により、バイオミネラルに類似したナノ結晶が方位をそろえた多孔質マンガン酸リチウムおよび多孔質一酸化マンガンを作製し、それぞれLiイオン電池正極および負極活物質としての特性を検討した。その結果、それらの階層的集積化ナノ結晶が高い電気化学的特性を有することを確認した。これは、高い容量と耐久性ともつ二次電池の開発の基礎的知見として重要である。 (2)リン酸塩ナノセラミックスによる生体機能への展開これまでに開発した中間体経由の方法によりナノ構造を有する水酸アパタイトおよび水酸アパタイト/β三リン酸カルシウム二相系結晶を合成し、細胞との適合性を評価し、細胞活性のコントロールの可能性を検討した。その結果、100nm以下のナノ結晶のサイズおよび溶解性の変化によって、骨芽細胞および繊維芽細胞の活性制御の可能性が示された。これは、細胞選択性を有する新規で適合性の高い人工骨および細胞培養足場材料の開発への基礎的知見を与える。
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Research Products
(24 results)