2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ熔融領域の光学・熱動力学計測手法の開発とストレージ技術への応用
Project/Area Number |
20360303
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
桑原 正史 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 近接場光応用工学研究センター, 主任研究員 (60356954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島 隆之 独立行政法人産業技術総合研究所, 近接場光応用工学研究センター, 主任研究員 (10371048)
鶴岡 徹 独立行政法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, MANA研究者 (20271992)
遠藤 理恵 国立大学法人東京工業大学, 大学院・理工学研究科・材料工学専攻, 助教 (00372459)
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Keywords | カルコゲン材料 / 高温熔融 / ラマン散乱 / 電気抵抗率 / 熱伝導率 / 近接場光 / 光記録 / 相変化メモリー |
Research Abstract |
「ナノスケールの熔融現象」をキーワードに、研究を遂行した。このキーワードのもと、(i)「ラマン散乱法によるナノ熔融領域熱現象の研究」および(ii)「高温時における材料の諸物性測定方法の確立」を柱とし、研究分担者と相互理解をしながら、研究を進めた。(i)のテーマにおいては、装置の構築は、ほぼ終了し光ディスクのその場ラマン散乱観察を行なった。その結果、超解像再生と言われる現象について、熔融状態がこの現象のもとであるということを実験的に初めて明らかにした。 (ii)のテーマに置いて、高温熔融状態材料の揮発・酸化が大きな問題であったが、それらを防止する試料準備法を確立した。光学定数測定では既存の装置を用いて、代表的なカルコゲン材料であるSb_2Te_3の測定を行ない、測定が可能であることを示した。また新たな装置を設計し、製作を開始した。現在ほぼ完成し、測定の段階である。電気伝導および熱伝導率測定では、試料の準備法や実験手法の検討を行ない、その後実行した。代表的なカルコゲン材料であるSb_2Te_3の電気伝導および熱伝導率測定を行ない、その材料の高温熔融状態での測定が可能になった。また上記以外にも、近接場光によるデバイス評価に着手し、ナノ領域での結晶構造評価や温度測定を目標に基本的な検討を行なっている。またその他として、カルコゲン微粒子のSTM発光分光測定、カルコゲン材料を用いた新規光学素子の開発を進めている。これらにおいては、21年度も継続して研究を進める価値ある結果が得られている。カルコゲン微粒子のSTM発光分光測定では、新たに東北大学の上原教授と協力関係を築き、研究を進めることができた。カルコゲン材料を用いた新規光学素子の開発では、ポスドクと研究を進め、理論と実験で結果を得ることができた。この研究で20年度「相変化記録研究会」より最優秀論文賞を受賞した。
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