2008 Fiscal Year Annual Research Report
外場制御とその場TEM観察によるマルチフェロイック酸化物の構造・機能解析
Project/Area Number |
20360307
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村上 恭和 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 准教授 (30281992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
進藤 大輔 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (20154396)
赤瀬 善太郎 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (90372317)
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Keywords | 電子線ホログラフィー / 電子顕微鏡 / ドメイン構造 / 強磁性体 / 強誘電体 / 電荷整列 / 強弾性体 / 外場 |
Research Abstract |
本研究では、マルチフェロイック系酸化物とその関連物質に注目して、材料特性に大きな影響を及ぼすドメイン構造(強磁性ドメイン、強誘電ドメイン、強弾性ドメイン、電荷整列ドメイン等)の外場依存性とその制御技術に関する知見を得ることをねらいに据えている。本年度は、特に(1)温度制御機能を備えたTEM内電気計測システムの構築、並びに(2)電荷整列の温度依存性の評価について詳細な研究を行った。このうち(1)のTEM内電気計測システムに関しては、設備備品として購入した一軸傾斜加熱冷却ホルダーをベースとして、液体窒素温度近傍から約470Kまでの温度域で直流四端子法による電気抵抗測定や、TEM試料への電場印加を行える実験技術の基盤を整備することができた。なお実験で用いる試料に関しては、現在はイオンミリング法で調整した平板状の試料を用いて予備実験を行っている。しかし、観察部分に印加される電圧や電流を定量的に評価するためには試料の外径をミクロンスケールで制御することが必要となってくる。この点を考慮して、次年度は集束イオンビームを利用した試料の微細加工技術を駆使して、より定量的な実験を行う予定である。(2)の電荷整列の温度依存性に関しては、La系のマンガン酸化物におけるドメインの温度依存性、および磁場依存性を、透過電子顕微鏡によるその場観察実験を基に明らかにすることができた。特に、電荷整列秩序と磁気秩序が拮抗する状態で形成されるドメイン構造に関して重要な知見を得ることができ、次年度以降に行うドメイン構造制御の研究に対して、十分な結果を収めることができた。
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