2009 Fiscal Year Annual Research Report
自己形成による金属-セラミックス系ナノヘテロ複相材料の創製と複合機能性の研究
Project/Area Number |
20360317
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Research Institution | Research Institute for Electric and Magnetic Materials |
Principal Investigator |
大沼 繁弘 Research Institute for Electric and Magnetic Materials, 電磁気材料グループ, 主席研究員 (50142633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 伸聖 財団法人 電気磁気材料研究所, 電磁気材料グループ, 主席研究員 (70205475)
増本 博 東北大学, 学際科学国際高等研究センター, 教授 (50209459)
大沼 正人 独立行政法人・物質材料研究機構, 量子ビームセンター, 主幹研究員 (90354208)
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Keywords | ナノヘテロ複相構造 / Co基合金薄膜 / 誘電特性 / 磁気特性 / 光透過特性 / トンネル型磁気抵抗効果 / 化学量論比化合物 / 複合特性 |
Research Abstract |
研究目的を達成するためにH21年度の研究計画に基づき、2009年度は以下の成果を得ることが出来た。 1)粒子とマトリックス化合物の生成熱の差が大きな組成系膜の作製:表記を満足する膜として、広い組成範囲でCo-(Hf or Al)-O系ナノヘテロ複相構造薄膜(Co<50 at.%)を作製した。本年度購入の薄膜誘電率測定装置を用いて誘電率を評価した結果、誘電率はいずれの組成系膜でも2元系膜(AlO,HfO)のそれと比較すると大きくなる。特に、その増加傾向は約10から20%Co付近まで著しく、2元系膜のそれと比較すると、約10倍の値を示す膜も見出すことが出来た。20%Co付近の膜の磁性は超常磁性であるが、さらに膜中のCo濃度を高くし強磁性を実現させ、強磁性-誘電特性を示す膜の合成にチャレンジしている。またHf系とAlとの差異を検討している。 2)昨年見出した大きなTMR特性を示すCo-Ti-O膜の詳細な組成分析を行った結果、酸化物系で最も大きなTMR(>10%)を示す組成は全てCo-TiO2組成上に存在することが判明した。 3)窒化物基膜の作製:N系化合物で比較的生成熱が大きなTiN,AlNをマトリックスとするナノヘテロ複相構造薄膜の作製を試みた。その結果、(1)Co-Ti-N系膜では70at.%Coを中心の広い組成範囲で軟磁性を示すことを、(2)Co-Al-N系膜では、~80at.%Co,Al<N組成で垂直磁化成分を有する膜が、約1GHz付近に明瞭な自然共鳴点を持つ、優れた透磁率の周波数依存性を示すことを見出した。膜は面内では等方的であるために種々の応用への展開が期待できる。現在、その原因を解明中である。 4)X線小角散乱法によるナノヘテロ複相構造膜の構造解析:NIMSのX線小角散乱装置を用いて、昨年見出したCo-Nb-Oナノヘテロ複相構造薄膜について広範囲な構造解析を行った。その結果、17at.%<Coではマトリックス中に粒子が存在しなくなることを確認することができた。この結果は磁化の組成変化と一致する。またマトリックス中には数%のCo原子が分散していることを示唆する結果も得られた。測定結果を基にシュミレーションを行い、ナノヘテロ複相構造とCo濃度との相関を検討中である。
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Research Products
(12 results)