2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20360322
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
古林 孝夫 独立行政法人物質・材料研究機構, 磁性材料センター, 主席研究員 (80354348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宝野 和博 独立行政法人物質・材料研究機構, 磁性材料センター, フェロー (60229151)
高橋 有紀子 独立行政法人物質・材料研究機構, 磁性材料センター, 主幹研究員 (50421392)
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Keywords | 磁性 / スピンエレクトロニクス |
Research Abstract |
CPP-GMR素子は高密度ハードディスク用読み取りMRヘッドとして有望であるが、現状では十分なMR比が得られておらず、低い電気抵抗を保ちながら高MR比を実現することが求められている。ハーフメタルとなるホイスラー合金をCPP-GMRに適用することにより高いMR比が実現されるものと期待される。本研究では高いスピン分極率を持つと期待されるホイスラー合金、Co_2FeAl_<1-x>Six(CFAS)、Go_2MnGa_<0.5>Sn_<0.5>(CMGG)、Co_2FeGe_<0.5>Ga_<0.5>(CFGG)等を強磁性電極として、スペーサー層にはAgを用いたスピンバルブ型及び擬スピンバルブ型CPP-GMR素子を作製し、そのMR特性を調べた。 CFASを用いた擬スピンバルブ型素子に関して、室温で34%,10Kで80%という高いMR比を得た.2.5nmという非常に薄い膜厚について大きなMRが得られたことは、ヘッドへの応用の観点から有望である。また、膜厚を変化させた測定から、スピン拡散長及び電気抵抗のスピン非対称性パラメータを評価し、界面散乱の寄与が大きいことが示された。また、Co_2FeAl_<1-x>Si_xにおける組成xを変化させそのMRへの依存性を調べた。その結果x=1で最も大きなMRが得られるというバンド計算の予想(x=0.5が最適)とは反する結果が得られ、Alの添加による構造の乱れがMR特性を劣化させるものと推測される。 これまで高いスピン分極率が報告されているCMGG及びCFGGを用いたCPP-GMR素子の作成と評価を行った。CMGGは熱処理時の層状構造の乱れが予想以上に大きく、これまでの材料を超える結果は得られなかった。これに対しCFGGを用いた場合室温で40%、低温で100%というこれまでで最大のMR値を得ることが出来た。
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Research Products
(14 results)