2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20360330
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石原 慶一 Kyoto University, エネルギー科学研究科, 教授 (30184550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 英之 京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (80362573)
山末 英嗣 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教 (90324673)
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Keywords | 光触媒 / 磁場効果 / 酸化チタン / 酸化亜鉛 |
Research Abstract |
本年度は予備実験で得られている光触媒の磁場効果について、酸化チタン、酸化亜鉛を用いて精密な測定を行った。メチレンブルーの分解反応を対象として、初期濃度の影響、磁場の影響、温度の影響を4回以上同一条件で測定し、磁場効果と測定誤差について詳細に分析を行った。また、光触媒の水和に対する影響を調べるために予備加熱した試料としていない試料についても比較検討を行った。その結果、酸化チタンについてはほぼ予備実験と同様の結果が得られたが、酸化亜鉛については実験誤差と同程度の効果しか確認されなかった。また、初期濃度と分解速度の関係についてはこれまで報告されているように線型関係は成立しなかったが、従来高濃度側で影響が小さくなるという報告がされているが、今回酸化亜鉛で低濃度側で濃度影響が小さくなる傾向が見られた。さらに、粒径の違いによる影響を調査したところ、酸化チタンで顕著な差が見られたが、酸化亜鉛についてはそれほど大きな差が見られなかった。以上から、磁場効果が酸化チタン特有の現象である、あるいは顕著な現象である可能性が高いことがわかった。その理由の一つとして、酸化亜鉛の触媒能力が高く、磁場による影響が出にくいことが考えられる。そのため、磁場の大きさを小さくして同様の実験を行ったが、やはり顕著な差は見られなかった。今後、さらに詳細な検討が必要であり、現在、精度を高くした実験を検討中である。また、本年度導入したゼータ電位計により、より詳細な表面状態の解析を行う必要がある。
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