2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20360330
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石原 慶一 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (30184550)
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Keywords | 光触媒 / 磁場効果 / 酸化チタン / 酸化亜鉛 / 酸化タングステン / 溶存酸素 / メチレンブルー |
Research Abstract |
昨年度に引き続き磁場効果が光触媒反応に与える影響をより精度良く定量的に測定する。 一昨年度導入したゼータ電位計やそれに付随する粒径分布測定装置を用い、磁場の大きさや、光触媒材料の粒子径といったパラメータを変えながら測定を行い、磁場効果とラジカル種の挙動との関係について評価を行った。その主な成果は以下のとおりである。 光源としてUV-LEDランプを用いることにより、再現性のある実験結果を得、種々の光触媒(酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン)において磁場効果が確認された。ただし、磁場による影響は光触媒効果を高める場合、あるいは弱める場合があることがわかった。 メチレンブルー溶液の調合後の放置時間と磁場効果に明確な関係があり、特に酸化亜鉛光触媒において顕著であった。そのため、溶存酸素量を測定したところ、放置時間により溶存酸素は変化することが分かった。さらに詳細に調べるため、溶液に酸素吹き込み、アルゴン吹き込みなどにより溶存酸素をさらに変化させ、磁場効果との関係を調査した。しかし、得られた結果を総合して考察したところ溶存酸素のみが重要なパラメータではなく、他の要因もあることが示唆された。 ゼータ電位については誤差が大きく系統的な変化を観測するには至らなかった。 その他、メチルオレンジなどの色素や、水以外の溶媒(アルコールなど)を用いた場合も光触媒反応に磁場の影響がみられたがさらなる精査が必要である。
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