2010 Fiscal Year Annual Research Report
加工ひずみ制御による微細粒組織創成の定量的予測技術の構築
Project/Area Number |
20360339
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
井上 忠信 独立行政法人物質・材料研究機構, 材料信頼性萌芽ラボ, 主幹研究員 (90354274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
殷 福星 独立行政法人物質・材料研究機構, 材料信頼性萌芽ラボ, 主席研究員 (80354273)
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Keywords | 加工ひずみ制御 / 結晶粒微細化 / 有限要素法 / 定量的予測技術 / マクロ変形解析 / プロセスパラメータマップ |
Research Abstract |
低炭素鋼を対象に,スクエア孔型を有した既存の溝ロール圧延機を用いて,500℃の温度域で多パス溝ロール圧延を実施し,微細粒棒鋼創成を試み,その機械的特性(引張り試験,シャルピー衝撃試験)を調べた.同時に,三次元有限要素シミュレーションによって変形解析を行い,相当ひずみや各ひずみ成分の履歴を定量的に予測した.得られた成果をサーベイし,個別の加工プロセスに依存しない共通の物理量,物理現象に基づいた微細粒組織形成のプロセスパラメータマップを明らかにした.そのパラメータマップに基づき,微細粒金属材料創成における既存プロセスの問題点を明確にし,効率的な微細粒創成プロセスを提案し,実証を試みた. 既存のスクエア/スクエア系列の溝ロール圧延での微細粒棒鋼創成の場合,材料中心にひずみが効率的に導入されずに,4つのコーナー近傍にひずみが集中することを数値シミュレーションによって明らかにした.そこで,大ひずみ導入と形状制御の観点で改良した新しいフォーバル/スクエア系列の圧延パスを数値シミュレーションによって提案した.さらに,フォーバル孔型を使用することで,少ないパスで大きなひずみを材料中心に導入でき,かつ形状を制御できる孔型を設計し,同時に組織・硬さ,さらには形状を予測した.数値シミュレーションで予測された結果は,圧延実験を通じて実証し,フォーバル/スクエア系列の溝ロール圧延で効率的に微細粒棒鋼を創成できることを明示した.
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Research Products
(5 results)