2010 Fiscal Year Annual Research Report
超音波キャビテーションに基づく超高圧ソノ凝固プロセスの開発
Project/Area Number |
20360344
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
恒川 好樹 豊田工業大学, 工学部, 教授 (50148350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥宮 正洋 豊田工業大学, 工学部, 准教授 (20177182)
セバスチャン グナポフスキー 豊田工業大学, 工学部, PD研究員 (20583280)
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Keywords | ソノ凝固 / 超音波 / キャビテーション / 凝固核 / 鋳造プロセス |
Research Abstract |
ソノ凝固における特異ミクロ組織発生のメカニズムを解明することは,凝固分野における新たな学術的意義を創出することに繋がる.また,結晶粒微細化を含むソノ凝固プロセスを実現するために下記を研究目的として本研究を実施した: (1) 共晶・過共晶Al-Si合金の一方向性ソノ凝固実験から,液相および固液共存域におけるキャビテーション気泡の役割を明らかにし,ソノ凝固による過共晶Al-Si合金ミクロ組織中の初晶Siとα-Alの同時発生メカニズムを詳細に解明する. (2) 半溶融創形プロセスとして,遠心鋳造および半溶融加圧鋳造にソノ凝固現象を適用したビレットを使用し,従来にないAl-Si合金のミクロ組織,すなわち,特徴的な機械的性質を有する合金の創形創質プロセスを開発し,その材料特性を明らかにする. 本研究の最終年度となる本年度は,共晶および過共晶Al-Si合金を用いて,ソノ凝固のメカニズムを確立し報告した.また,過共晶Al-Si合金のソノ凝固ビレットを半溶融遠心鋳造への適用し,特異なミクロ組織を有する創形創質プロセスを確立した: (1) キャビテーション気泡による局部的超高圧が凝固点に及ぼす効果を非平衡α-Al,初晶Siで観察し、超音波振動によるミクロ組織制御の本質が明らかになった. (2) 超音波溶湯処理した過共晶Al-Si合金ビレットを作製し,超音波照射による初晶Siの微細粒状化,Fe化合物の粒状化を実現したビレットを半溶融状態で遠心鋳造を行い,初晶Siの偏在化を実現した.α-Alの晶出により,初晶Siの晶出量が著しく増加することを明らかにした.
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