2008 Fiscal Year Annual Research Report
真空中固体表面場における高分子薄膜成長及びその界面制御への応用
Project/Area Number |
20360347
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
臼井 博明 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (60176667)
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Keywords | 表面・界面物性 / 高分子合成 / 超薄膜 / ナノ材料 / 電子・電気材料 / 蒸着重合 / 有機EL / ポリペプチド |
Research Abstract |
高分子光・電子デバイスの研究では、高分子の薄膜や積層構造をナノレベルで構築し、界面を制御する必要がある。これまで高分子の合成と製膜にはいずれも溶媒が用いられてきたが、無溶媒のドライプロセスで合成・製膜ができれば、このような目的に有意義である。そこで本研究では、物理蒸着法を用いて真空中で高分子薄膜を成長させるとともに、薄膜界面を制御するための基盤的研究を行った。その一つとして、(1)アクリル酸エステルモノマーを蒸着するとともに、電子照射、紫外線照射、あるいは加熱によって重合させる手法を用い、無溶媒で高分子薄膜を形成した。特に(1)-1溶媒プロセスの適用が困難なフッ素系高分子薄膜形成を物理蒸着によって可能とし、蒸着分子のフッ化アルキル鎖長によって表面自由エネルギー及びその安定性を制御できることを見出した。さらに、(1)-2電荷輸送機能を側鎖に持つ高分子薄膜を形成し、有機発光素子への応用を行なった。特に、(1)-3重合開始剤とモノマーを共蒸着し、光照射によって選択的な重合を行なう手法を開発し、高分子薄膜パターン形成への応用展開の可能性を見出した。一方、(2)基板表面を化学修飾することで真空中での高分子薄膜成長を制御することを試みた。ここではアミノ修飾した基板表面へのポリペプチド薄膜形成を試み、自己組織化あるいは物理蒸着による化学修飾プロセスと、ポリペプチド薄膜成長様式の関連を表面プラズモン共鳴で観測し、均質なポリペプチド薄膜形成のためには、基板表面に分子レベルの極薄い修飾層を形成することが有効であることを見出した。
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Research Products
(34 results)