2008 Fiscal Year Annual Research Report
Step-by-Step合成法の開発による新規ゼオライトの創出と応用
Project/Area Number |
20360355
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大久保 達也 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (40203731)
|
Keywords | ゼオライト / マイクロポーラス / 自己組織化 / 構造規定剤 / 水熱合成 |
Research Abstract |
1)ゼオライトの構造単位を持つ前駆体を連結してゼオライトを組み上げるアプローチについて検討した。はじめに、ケージ状のケイ酸8量体のテトラメチルアンモニウム(TMA)塩の結晶を密閉容器中で水熱処理することによって、層状ケイ酸塩RUB-15を得た。次に、酢酸処理により層間のTMAカチオンをプロトン交換した後、500℃で加熱した結果、層間のシラノール基の脱水縮合により構造が3次元化し、ソ一ダライトが生成することを見いだした。RUB-15由来の平板状の形態を持つことが特徴である。また、既往の純シリカソーダライトはケージ内に有機分子を含むため、細孔が効果的に利用されてこなかったが、RUB-15より得られたソーダライトは800℃の熱処理を加えてもその構造を保持し、水素吸着試験により中空構造であることが確かめられた。 2)Mordenite及びferrieriteの結晶化過程を追跡することにより異なる構造種の生成過程について検討を行った。Na-mordeniteが結晶化する原料組成のNaOHの一部をKOHに交換することにより(Na,K)-ferrieriteが生成することが知られている。シリカ源、アルミナ源、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水を所定の組成比で混合し、オートクレープ中で室温で撹絆したのち、165℃で所定時間水熱処理を行った。水熱処理時間を変化させて得られた生成物をXRD,ラマン分光により評価した結果、ferrieriteは5員環を多く含む平板状の構造が出来たのち、それらが厚み方向に連結することで6及び8員環を形成して3次元構造をとると考えられた。一方、mordeniteは微結晶の集合体が生成したのち、異方性を持つ結晶となると推察された。
|
Research Products
(5 results)