2009 Fiscal Year Annual Research Report
太陽光と新規な酸化チタン薄膜素子による水からの水素と酸素の分離生成とその高効率化
Project/Area Number |
20360366
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
安保 正一 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 教授 (70094498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 雅也 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (80305648)
竹内 雅人 大阪府立大学, 工学研究科, 助教 (90382233)
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Keywords | 可視光応答型光触媒 / 酸化チタン薄膜 / マグネトロンスパッタ / 太陽光利用 / 水の分解反応 / 水素と酸素の分離生成 / 積層型薄膜触媒 / 2槽型セル |
Research Abstract |
マグネトロンスパッタ法で創製した可視光応答型TiO_2薄膜をアンモニア雰囲気中で焼成すると、可視光、紫外光照射下においてアノード光電流値が増大することがわかった。また、アンモニア雰囲気中における焼成処理温度には最適値が存在し、400℃における焼成処理で最も高い光電流値が観測された。UV-vis拡散反射スペクトル測定の結果、アンモニア雰囲気中で焼成処理を行った可視光応答型TiO_2薄膜では、焼成前の薄膜に比較して可視光領域の吸収が増大しており、効率よい可視光吸収が可能となることがわかった。さらに、アンモニア雰囲気中で焼成処理を行った可視光応答型TiO_2薄膜では、TiO_2中に含まれるTi^3+種に基づくブロードな吸収帯(λ≧600nm)の強度が減少することがわかった。これらの結果は、焼成処理により、電子と正孔の再結合中心となるTi^3+種が減少することを示唆しており、これが400℃以下の焼成温度領域における光電流値向上の要因であることが示唆された。一方、焼成処理温度の上昇により薄膜の表面積が減少し、高温での焼成処理が光電流値を低下させる要因となることがBET表面積測定の結果明らかとなった。実際、400℃以上での焼成処理で光電流値は低下することが明らかとなった。対照的に、空気中400℃で焼成処理を行った可視光応答型TiO_2薄膜では、その表面積の減少が顕著であり、光電流値が大幅に低下することが明らかとなった。さらに、アンモニア雰囲気中で焼成処理を行った可視光応答型TiO_2薄膜を二槽セルに適用し、水からの水素と酸素の分離生成反応について検討した結果、焼成処理により、その反応効率が大きく向上することが明らかとなった。
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Research Products
(25 results)