2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20360368
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上田 宏 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 准教授 (60232758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊原 正喜 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特任助教 (50391868)
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Keywords | 生物・生体工学 / 分析科学 / 蛋白質 |
Research Abstract |
本年度は(1)ペプチド抗体のHTP取得とタンパク検出への応用と,(2)抗体産生ハイブリドーマを用いたOS-ELISA用融合タンパク発現系の最適化を目標に研究を行った。 (1)では,L鎖をヒト由来抗体とするFab提示ファージライブラリを用いて,これまでOS-ELISAに成功しているBGPペプチドを含む各種低分子を抗原としたスクリーニングを行い,多数の特異的結合クローンを得た。しかし残念ながらOS-ELISAへの適性がやや悪くなる例が多く,現在癌患者由来を含む各種ヒト抗体ライブラリから新たな特異的抗体選択を試みている。一方,ランダム化したVHドメインを提示するファージを,固定化したVLドメインに対して微量の抗原ペプチド存在下で選択するオープンサンドイッチ選択法を試み,選択の結果,従来より数百倍高感度にBGPペプチドを検出できる抗体の取得に成功した(Iwai et al., in press)。これは抗原キャリア複合体を用いない新しい低分子認識抗体選択法であり,現在同様の方法を他の低分子認識抗体でも実施して良い結果を得つつある。 (2)については,主に融合タンパク発現効率の向上をはかった。具体的には昨年度成功したトランススプライシング法(論文3)においてアンチセンス核酸の利用によるcisスプライシングの抑制を検討し,複数種類のアンチセンス核酸によりtransスプライシング効率向上の再現性を確認したが,更なる効率向上までには至らなかった。相同組換え法においてはターゲッティングベクター上にコードされる抗体酵素間リンカー配列を再検討し,従来より長いリンカー配列をもつベクターを用いた抗体産生細胞での相同組換えの結果,より高いS/N比で抗原検出ELISAを実施することに成功した。最後にL鎖融合蛋白質発現法により複数のIgM抗体産生細胞を用いて酵素抗体融合蛋白質の発現に成功した。具体的にはがん細胞認識IgM抗体にルシフェラーゼ融合L鎖を導入発現させ,細胞内でIgMを酵素標識し,がん細胞を特異的に発光検出することに成功した。
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Research Products
(6 results)