2009 Fiscal Year Annual Research Report
非天然型膜構造を持つ有機溶媒耐性型の新規菌体触媒の開発
Project/Area Number |
20360375
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
近藤 昭彦 Kobe University, 工学研究科, 教授 (40205547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 勉 神戸大学, 自然科学系先端融合研究環重点研究部, 助教 (90436551)
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Keywords | タンパク質 / 酵素 / 非天然分子 / 酵母 / 細胞表層提示 |
Research Abstract |
本年度は非天然分子を修飾する酵素の探索及びその改変を行った。バシルス属、コリネバクテリウム属などの微生物から酵素遺伝子を探索し、それぞれを大腸菌発現系を用いて発現、精製した。それらの酵素に対して、予想されたタグ配列を付加したEGFPをモデルタンパク質とし、酵素活性を評価した。すると、その中でも乳酸菌由来のタンパク質修飾酵素が、アミノ酸5つからなる基質配列を認識して第1級アミンを持つ化合物を認識して修飾することができることを見出した。この酵素は従来の酵素に比べて酵素活性はほぼ同等であり、また基質特異性が広範囲にわたることが判明した。続いてこの酵素の活性向上、基質特異性の改変を目指してタンパク質の合理的設計に基づく部位特異的ランダム変異を導入した。活性中心に着目し、活性中心部位の数アミノ酸を集中してランダムに変異させるランダムプラスミドライブラリを構築した。このライブラリからいくつかピックアップして変異体酵素を発現させたところ、発現が難しいことが分かった。そこで、発現と酵素活性を合わせてスクリーニングできるように、このライブラリを大腸菌に形質転換し、各コロニーを基質と混合し、ウエスタンブロッティングを行うことで新規酵素をスクリーニングした。これにより、基質特異性の異なる酵素をいくつか得ることに成功した。この酵素の遺伝子配列より、活性中心部位の変異は酵素の基質特異性改変に有用であることが示された。今後は、これら酵素の基質特異性の改変、活性の向上をはかるとともに、この酵素を用いて非天然型膜構造を持つ微生物の作製を行っていく。
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