2010 Fiscal Year Annual Research Report
先進量子ビーム励起極表面分析を用いた高精度宇宙環境材料試験技術の開発
Project/Area Number |
20360382
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田川 雅人 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (10216806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 久美子 神戸大学, 工学研究科, 助手 (20252794)
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Keywords | 宇宙環境 / 量子ビーム / 宇宙材料 / 地上試験 |
Research Abstract |
本研究では地上における宇宙環境試験条件の精査と実宇宙環境との詳細な比較、ならびに第3世代放射光施設など先進量子ビームを用いた高精度表面分析を併用することで、地上実験精度(定性・定量性)を向上させ、宇宙システムの信頼性向上に資することを狙う。具体的にはASTMにより定められているリファレンス材料をターゲットとして、期間内に以下の2つの疑問に対する明確な解答を得ることを目標とする。(1)宇宙と同じ反応を地上実験装置で模擬するには、どのような条件が必要か?(2)地上模擬実験に絶対的な定量性を求めるには、どのような条件が必要か?さらに、地上実験の精度向上を果たすために必要なリファレンスデータを軌道上で取得するという観点から、新規な宇宙曝露実験への要求も明確化する。上記の点を明らかにすることにより、地上材料試験の定性的・定量的向上を図ることが本研究の目標である。平成22年度は本研究の最終年度であることから、定量的宇宙環境地上模擬試験に必要とされる条件について整理し、今後の方向性について提言を行った。その骨子は、(1)宇宙環境模擬において衝突エネルギーの効果は無視できない、(2)紫外線照射効果は材料に強く依存するが、複合効果は大きな効果を与えない、(3)酸素原子以外の中性ガスによる影響は無視できない、(4)X線照射は材料内の水素量に影響を与える、(5)超低軌道環境では窒素分子の効果により、これまでの予測をはるかに上回る材料劣化の可能性がある、等である。これらの結果は大型放射光施設やNewSUBARUなどの先進量子ビームの利用により初めて明らかにされたもので、宇宙環境の地上実験方法の改善や新規材料の宇宙適用について、新たな指針を与えるものとなった。
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[Journal Article] A Consideration of Future Flight Material Exposure Experiments in Japan : Advanced Material Exposure Test Working Group's Proposal2010
Author(s)
Masahito Tagawa, Kumiko Yokota, Mengu Cho, Minoru Iwata, Rikio Yokota, Mineo Suzuki, Koji Matsumoto, Yugo Kimoto, Eiji Miyazaki, Hiroyuki Shimamura
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Journal Title
Transaction of the Japan Society for Aeronautical and Space Sciences, Aerospace Technology Japan
Volume: Vol.8
Pages: Th_1-Th_5
Peer Reviewed
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