Research Abstract |
初年度は,真空排気系およびレーザ発振器の導入・設置,ならびに推進機・推力測定装置の製作・構築を実施した.後期に入り,推力測定の試行実験を行った.真空排気系とレーザ発振器はいずれも特注品のため,導入・設置が遅れ,現在,構築ならびに作動試験の進行中である,また,推力測定装置は,水平捩り振り子式を採用し,振り子の変位は渦電流式非接触変位センサ(分解能0.2μm)で計測する方式を取った、また,作動時の振り子の振動は,永久磁石による渦電流式電磁ダンパにより抑制した.本装置は,既に試作・改良を重ね,振り子長1mにより最小測定限界1.4nNを実現した.校正には,静電式アクチュエータを自作し,真空中にて校正が行えるようにした.推進性能評価の試行実験では,既存のマイクロチップレーザ(パルス幅250psec,繰返し周波数1kHz)を使用し,レーザアブレーションにより発生したプラズマ(単体では推力5nN程度)に対して静電加速用電場(電圧1kV程度まで)を印加することで,著しい推進性能の向上(最大で120nN)を確認した. プラズマ分光システムの構築については,主として既存のレーザ分光用光源であるOPOの調整ならびに作動試験を行った.作動試験においては,主として,PLIFや吸収分光実験を行った. 電源システムの構築については,特にレーザの各主要要素用のドライバ・電源システムの構築を行った.すなわち,マイクロチップレーザ用ドライバや増幅用半導体レーザ用ドライバ、Q-swドライバ,ペルチェドライバなどがこれに相当する.
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