| Research Abstract |
今年度は,特に(1)超小型高輝度レーザ装置の開発,(2)捩じり振り子式推力測定装置の制御系の構築,(3)レーザ・電磁加速複合推進機の性能評価,を行った.以下にそれぞれの成果について記す.
(1)においては,小型Qスイッチマイクロチップレーザのレーザ光をLD励起ファイバレーザで増幅する超小型の高輝度高繰り返しレーザシステムを構築した.特に,ファイバへのレーザ光の入力は,ビームコンバイナを用いることで,光学系の空間的な配置を避けることができた.レーザの性能は,パルス幅1nsec程度,繰り返し周波数25～100kHz,平均パルスエネルギー0.2mJを達成した.現在,更なる小型化を目指したコンポーネント化を進めている.
(2)においては,従来の振り振り子式推力測定装置に電磁アクチュエータおよびPCからなる制御系を構築した.PID制御の結果,振り子の変位を抑制して原点に維持した状態で,マイクロニュートン級の推力を計測することに成功した.これにより,レンズ・ターゲット間距離を維持したまま推力を精密に評価することが可能となった.
(3)においては,(1)小型矩形型,(2)小型同軸型,(3)超小型同軸型の3種類の推進機についてそれぞれ推進性能の評価を行った.その結果,推進剤にアルミナを用いた場合で,充電エネルギー8.6J時にIbit=25uNsec, Isp=6200sec,推進効率10%を確認した.現在,推進機の更なる小型化に向けたコンデンサなどの回路部品や電極形状の最適化に取り組んでいる.
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