2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20360387
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武市 祥司 金沢工業大学, 情報学部, 准教授 (90291319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 秀明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70111474)
秋元 博路 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (20283971)
田中 謙司 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (40431788)
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Keywords | 海上物流 / リスク / 安定供給 / 資源輸送 / シミュレーション / 最適化 / 滞船 |
Research Abstract |
エネルギー資源の安定確保は近代国家の生命線とも言え,特に日本の資源輸送はほぼ全量が海上輸送されているため,生産地での資源量の確保だけでなく輸送まで含めたリスクの評価方法は重要であるが,定量的な手法は確立されていない.そこで本研究課題では,海上物流における安定供給のリスクを定量的に評価する手法を確立し,リスクとコストの双方を勘案した最適な輸送方法を検討することを支援するシミュレーション・システムを構築することを目的とした.天然資源の中から特に鉄鉱石に注目して,離散型時間発展タイプの海上物流シミュレータのプロトタイプを構築し,粗鋼生産量の世界上位数社における鉄鋼石の海上物流の現状再現を試み,調達コストを定量的に把握できることを確認した.さらに,鉄鋼石の在庫量,鉄鋼石の日平均使用量,鉄鋼石在庫が払底した場合の操業被害額の三つの指標から,時々刻々と変化する在庫量を資源払底リスクに変換するリスク関数を定義した.このリスク関数を用いて,離散型時間発展シミュレーションを行い,資源払底リスク値を積算することにより,個々の製鉄所における安定調達リスクを定量的にする評価手法を考案し,この評価アルゴリズムを海上物流シミュレータに新たに実装した.さらに,この海上物流シミュレータを用いて,南米・北米・豪州・欧州から日本へと海上輸送される鉄鉱石に関して,安定調達リスクおよび輸送コストの最小化を目的関数として,現状の需要シナリオに基づく航路と船団の最適化を試みた.この結果,シャトル輸送のみでなく,日・欧・豪・南米の四か所を巡るコンビネーション輸送をどの程度の比率で代替すると各社が最適化できるか検討できることを示した.さらに,生産地でのトラブルによる生産量の一次的な減少や自然災害による岸壁の使用不可などによって生じた滞船の影響を考慮して,定期船だけでなくスポット庸船まで含めた最適化も試みた.
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Research Products
(2 results)