2010 Fiscal Year Annual Research Report
マルチプレット・クラスタリング解析に基づく高透水性き裂群・分布領域標定法の開発
Project/Area Number |
20360402
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森谷 祐一 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (60261591)
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Keywords | AE / 微小地震 / 地熱 / き裂 / 透水性 / マルチプレット / 断層 / せん断滑り |
Research Abstract |
前年度に引き続き,貯留層内透水性き裂群・分布領域標定法の検討を行い,AEマルチプレットに着目することにより,貯留層内の流体の主要路の推定が可能であることを示した.具体的には,坑井内計測データより推定された貯留層内流体流動挙動とAE解析結果との対比による高透水性領域を特徴付けるAE波形パラメータの抽出と検討をソルツフィールドのデータを用いて行った.そして,AEの発生時間間隔は,通常にイベントではランダム近い確率過程に従って発生する一方,AEマルチプレットの発生時間間隔はランダムではなくむしろ周期的であることをワイブル分布を導入した解析により定量的に明らかにした.さらに,坑井内注水の主要流水箇所近傍で,検層データによりき裂内の流体流量が大きいと推定されている領域では,類似波形発生数が多く,かつマルチプレットのアクティビチィーが高いことも明らかにした.これらの結果に基づき,AEマルチプレットの波形エネルギー積算値と発生期間,発生期間中の注水量を用いたパラメータを定義し,本パラメータは,主要流水箇所近傍に近いほどその値が大きくなることを示すとともに,本パラメータは,地熱貯留層内の高透水性き裂および流体流動の主流路位置ならびに分布推定のための指標になり得ることを示した.定義したパラメータを包括した解析法の具体的手順を検討し,高透水性地下き裂群・領域標定法を提案した.以上の結果を学術論文として発表および投稿した.
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Research Products
(5 results)