2009 Fiscal Year Annual Research Report
三軸応力下における岩石試験片からの水の出入りの観察と透水係数の推定
Project/Area Number |
20360404
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大久保 誠介 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (90092155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 勝則 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (70251361)
羽柴 公博 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (60456142)
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Keywords | 岩石 / 可視化 / 時間依存性 / 三軸圧縮試験 / 透水係数 / 構成方程式 / シミュレーション / 強度回復 |
Research Abstract |
1.透水係数の測定法 従来の方法で得られた透水係数と本研究で開発した方法により得られた結果とを比較・検討した.従来の方法としては,一定量の水を試験片の上部に設置した円筒中に入れてその経時変化を見る変水位法と,試験片に一定流量を流し続けて圧力が一定となったときの圧力を測定する定流量法とを採用した.5種類の岩石について比較試験をおこない,新旧の方法から得られた結果を比較検討した. □測定精度を高めるとともに適用範囲を広げるために種々の検討をおこなった,三軸ベッセル中の岩石の観察方法,変位・圧力の測定方法など考えられる限りの重点項目について見直しをおこなった.その結果,かなり安定した結果が得られるようになった. □本方法の適用範囲は今のところ比較的透水係数が大きくて,水が流れやすい岩石にとどまる.透水係数が小さな岩石では,透水係数のオーダーはわかるが精度は今ひとつといえる.今後は,このような岩石に対しても実用的に必要な精度を確保する手法を検討する. 2.様々な応用範囲の検討 今回提案した試験方式は,三軸圧縮応力下における試験中に(1)試験片の変形が直接観察できる,(2)試験片からの物質の出入りが直接観察できる,(3)試験片の時間依存性挙動が把握できる,等の特徴を有しており様々な用途に応用できる可能性がある.そこで,試料,試験装置,試験方法を変えてその可能性を探ることにした.例えば,一度破壊した岩石をもう一度押し固めてその強度回復をみる実験をおこなった.破壊した岩石が押し固められていく課程の各段階における透水係数の変化を測定することに成功した.この研究は,長期間にわたる岩盤内構造物の性能評価に重大な意味を持つにもかかわらず,既存のデータがほとんどない分野である.また,適宜,構成方程式とシミュレーションプログラムの改良をおこないつつ,数値シミュレーションを平行しておこない研究の効率化を図ることに成功した.
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