2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナトリウム温度ライダーに応用するレーザ周波数の超精密制御方法の研究
Project/Area Number |
20360405
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
川原 琢也 Shinshu University, 工学部, 准教授 (40273073)
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Keywords | ナトリウムライダー / Nd:YAGレーザ / 和周波 / 589nm / 音響光学素子 / ドップラーフリー法 |
Research Abstract |
本研究は、次世代型高出力ナトリウム温度ライダーのための新技術を検証しつつ、システムを構築することである。 このライダーは、2台のNd:YAGパルスレーザ周波数(1064nm,1319nm)の和周波によりナトリウム共鳴線の589nmレーザを生成する方式である。それぞれのレーザには種レーザとして連続光レーザを用いており、パルスレーザ共振器に導入されるこの種がパルスレーザの波長条件を決める。(インジェクションシーディング法)。 パルスレーザの波長を制御するために、それぞれの波長の種レーザを使用し、その和周波の589nm連続光を用いてレーザの絶対周波数計測系を構築して実験を行ってきた。二年目は、加熱したNaセルからモニターした589nm散乱光でNa原子の超微細スペクトル構造を計測(ドップラーフリー法)し、その中の特定の吸収線にレーザ波長をロックするための最良の条件をみつけるための実験を行った。パラメータは、セル温度、レーザ強度、光電子増倍管の感度、レーザの光学アライメントである。その結果、いくつかの条件でスペクトルがシャープに計測できることがわかったが、絶対周波数に数MHzの精度でレーザをチューニングする実験は継続して行っている。 高速波長スイッチングシステムは、上記の手法で基準の周波数にロックしたレーザ周波数を電気制御で別周波数に瞬時に変換する手法である。今年は音響光学素子(AO)を用いたレーザシフトの動作確認と光学効率の計測を行った。インジェクションシーディングのためには、AOにより回折した(光路が変わった)レーザ光でも、共振器に導かれる光路が変わってはならない。この条件を達成する光学的配置の問題点の洗い出しをおこなった。
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Research Products
(5 results)