2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20360411
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
小西 康裕 Osaka Prefecture University, 大学院・工学研究科, 教授 (90167403)
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Keywords | 都市鉱山 / 廃棄物再資源化 / リサイクル / レアメタル / バイオミネラリゼーション / ナノ粒子 / 貴金属 / 金属イオン還元細菌 |
Research Abstract |
1) 貴金属含有溶液への適用性試験プリント基板には、貴金属に比べて300倍程度の高濃度でベースメタル(Cu、Ni、Zn)が共存しているため、貴金属に対する選択性の有無が分離操作上の鍵となる。プリント基板の王水浸出液を対象にしても、浸出液のpH調整(pH 1)を行えば、還元細菌S.algaeはAu(III)イオンを選択的に、迅速に還元・析出する機能を発揮することがわかった。 2) バイオ調製粒子の回収S.algae細胞に還元・析出したPd(0)ナノ粒子を細胞内から液相に剥離・回収する方法を検討した。Pd(0)ナノ粒子の生成場が細胞表面(ペリズム空間)であることから、Pd(II)イオン還元実験後の細胞懸濁液に対して、超音波照射処理とアルカリ溶液処理を併用した場合には、細胞の断片が消失し、ナノ粒子だけが液相に存在することがTEM観察できた。したがって、S.algae細胞に生成したPd(0)ナノ粒子は、細胞内に存在する場合と同様に、凝集することなくナノコロイドとして液相に回収できることがわかった。 3) バイオ還元による貴金属回収装置の開発貴金属含有溶液の大量処理を目的に、単一槽型反応器を連続方式(原料溶液・細菌の供給、生成粒子・細菌懸濁液の排出)で操作し、S.algaeによるPd(II)の還元・回収試験を行った。供給液Pd(II)濃度を100ppm、平均滞留時間を10分に設定した場合、定常状態においてPd回収率が95%以上となり、Pdナノ粒子(一次径<10nm)が細菌表面に高密度・高分散状態で生成した。この連続操作条件下においてPd回収速度は0.64kg/(h-m^3)となったが、次年度の研究において供給液Pd(II)濃度の増加、平均滞留時間の短縮など操作条件を選定すれば、Pd(II)回収速度がさらに増大すると考えられる。
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Research Products
(9 results)