2010 Fiscal Year Annual Research Report
内部導体装置での電子バーンシュタイン波によるオーバーデンスプラズマ研究
Project/Area Number |
20360413
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小川 雄一 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (90144170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森川 惇二 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教 (70192375)
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Keywords | 炉心プラズマ / 電子バーンシュタイン波 / 内部導体装置 / オーバーデンスプラズマ / 高ベータ |
Research Abstract |
高ベータプラズマの閉じ込めを目的としたMini-RT装置では、高温超伝導コイルを磁気浮上させることでできる惑星型の磁場でプラズマを閉じ込めている。このプラズマ実験において通常の電子サイクロトロン加熱による遮断密度を大きく越えたオーバーデンスプラズマの生成が確認されており、これは電磁波が遮断密度を持たない電子バーンシュタイン波(EBW)にモード変換し、サイクロトロン高調波共鳴によって加熱が行われていると考えられる。Mini-RT装置での今までの研究では、EBWの特徴である短波長の静電モードの波を観測した。また入射した電磁波モードのECWが遮断密度領域で減衰するのもループアンテナ・の電磁波モード計測で同定できている。 今回は、電子バーンシュタイン波の大きな特徴であるbackward波を同定すべく実験を行った。backward波は、位相速度と群速度が逆方向に伝搬するという特徴を有している。このため入射する電磁波を数nsecのパルスとし、プラズマ中での伝搬を直接計測することとした。プラズマ中で数mm離れた場所での波の同時計測を行うべく、3チャンネルの静電モード測定アンテナをプラズマ中に挿入し実験を行った。その結果、アンテナ間で数nsecの遅れでパルス伝搬する事が実験的に観測された。このことより、波の伝搬速度が電子の熱速度レベルであり、電子バーンシュタイン波の群速度が電子の熱速度程度であることと一致する。しかも位相速度と逆方向への伝搬しているbackward波である事も確認された。 ここ3年間の研究により、電磁波モードでプラズマ中に入射したECWが遮断密度領域で、(1)電子ラーマ半径レベルの短波長静電モードが励起されている事、(2)電磁波モード自身は減衰している事、(3)群速度測定によりbackward波であり、その伝搬速度が電子の熱速度レベルであること、などが実験的に観測出来た。これにより電磁波モードであるECWが遮断密度領域で電子バーンシュタイン波にモード変換している事が同定できたと言える。
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Research Products
(6 results)