2010 Fiscal Year Annual Research Report
新しい高粒子束プラズマ源を用いたタングステン壁ヘリウム損傷過程の解明とその制御
Project/Area Number |
20360414
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
高村 秀一 愛知工業大学, 工学部, 教授 (40023254)
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Keywords | プラズマ・核融合 / プラズマ生成 / プラズマ-壁相互作用 / タングステン / ヘリウム損傷 / ナノ構造 / プラズマ源 / 高温電子 |
Research Abstract |
(1) 高粒子束・高熱流束を有するコンパクトなプラズマ源の開発 マルチ・カスプ磁場とソレノイドによる縦磁場を組み合わせたプラズマ発生装置AIT-PIDを完成.1×10^<18>m^<-3>以上の高密度ヘリウム(He)/アルゴン(Ar)プラズマを生成.バルク電子(Te~5eV)に加えて高温電子(Te=30~40eV,割合:5~10%)を有する優れた特徴を持つ. (2) He損傷に対する温度履歴効果 ナノ構造が形成されて黒色化したタングステン(W)をHeプラズマ中で昇温して1600K前後に数分置くと,W繊維が著しく縮減し太く短くなる温度履歴効果を明らかにした. (3) ナノ構造Wの物性評価 炉壁として好ましい三つの特性を明らかにした.最初は放射率が0.9μmで本来の0.43から1.0に近くなり,ナノ構造形成に伴い300K程度の冷却効果が見られた.第2は,2次電子放出の抑制.このため浮遊電位が深くなり,壁面へのプラズマ熱流入が減少する効果がある.最後はスパッタリング率が1/8程度に小さくなる点. (4) He損傷の修復 ナノ構造形成し黒色化したW表面をArプラズマ中で1600K 25分程度,またHeプラズマ中でHeイオンエネルギーを6eV以下で同上の条件により,Wを放出することなく修復し,表面が元来の銀色に戻り,SEM観察でナノ構造をほぼ消失させることに成功.
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