2009 Fiscal Year Annual Research Report
メゾスコピック構造の理解をベースとした地層処分バリア材料の性能発現機構の解明
Project/Area Number |
20360415
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小崎 完 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 准教授 (60234746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富岡 智 北海道大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (40237110)
西山 修輔 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教 (30333628)
加美山 隆 北海道大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50233961)
佐々木 隆之 京都大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60314291)
香西 直文 日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 研究副主幹 (80354877)
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Keywords | 放射性廃棄物 / 地層処分 / メゾスコピック構造 / 収着 / 拡散 |
Research Abstract |
本研究は、放射性廃棄物地層処分におけるバリア材料である粘土および堆積岩試料の内部微細構造に関する情報を種々の分析手法によって得ると同時に、それらの試料に対して放射性核種の拡散および収着実験を実施し、拡散や収着挙動を、試料のメゾスコピック構造の観点から検討し、それぞれの現象の基本的なメカニズムについて議論することを目的としている。研究2年目となる平成21年度は、透水試験前後の堆積岩試料のX線マイクロCT観察を行い、透水係数の経時変化と岩試料内部の亀裂構造変化との関連を明らかにした。また、Fe型に変質した粘土試料に対してμ-PIXE分析などによる特性評価を行うとともに、透水試験およびCl^-の拡散実験を行い、低圧縮の粘土試料の透水係数はFe型に変質することで大きく増加すること、これに対してCl^-の見かけの拡散係数は減少することを明らかにした。中性子分光法に関しては、中性子共鳴吸収イメージング法による核種の拡散の観察手法について、基礎的な実験を引き続き行った。収着挙動に関しては、バリア材中の有機酸を含む間隙水でのTh錯体種の見かけの溶解度ならびに溶解度制限固相を調査し、溶存錯体の安定性について熱力学的に考察し、Thイオンと有機酸の錯生成は、加水分解との競争反応であり、溶存種や固相の化学組成は両者のバランスに支配されること、また錯生成によって加水分解によるコロイド種の生成が抑制されることを明らかにした。一方、粘土および堆積岩試料への有機^<14>Cの収着実験を嫌気性雰囲気下で実施し、収着係数に及ぼす微生物活動の影響に関する基礎データを収集した。
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