2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20360416
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
越後谷 淳一 岩手大学, 工学部, 教授 (00005539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 弘昭 岩手大学, 工学部, 准教授 (30344617)
鎌田 康寛 岩手大学, 工学部, 准教授 (00294025)
小林 悟 岩手大学, 工学部, 助教 (30396410)
村上 武 岩手大学, 工学部, 技術職員 (60466513)
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Keywords | 格子欠陥 / 磁壁 / 照射損傷 |
Research Abstract |
本年度得られた成果を以下にまとめる。 1. 中性子照射した純鉄、Fe-Cuモデル合金(未圧延材、圧延材)のヒステリシスループ、バルクハウゼンノイズ(BHN)、インピーダンスの測定を行い、動的磁気特性の照射による影響を実験的に明らかにした。未照射時に転位を多く含む圧延材においては、照射により保磁力やBHN事象数の減少、透磁率の増加など磁気特性が"軟化"する傾向が明らかとなった。また、転位密度が小さい未圧延材においては、照射による磁気特性変化は少ないことが示された。 2. 磁気光学カー効果顕微鏡及びローレンツ電子顕微鏡を用いてイオン照射した鉄単結晶及び熱時効したFe-Cuモデル合金の動的磁区観察を行い、磁界印加時における磁壁の挙動を明らかにした。 3. 1,2の結果及び平成20,21年度に行った照射模擬材の組織観察や磁気特性変化計測の結果に基づいて、照射損傷と磁気特性変化との相関について検討した。照射により導入される転位ループや銅析出物などの格子欠陥そのものと磁壁との相互作用は必ずしも大きくないことが明らかとなった。一方、未照射時に転位を多く含む試料では、転位ループ、銅析出以外に照射により誘起される磁壁挙動に影響を及ぼす組織変化が生じることが示唆された。 以上、原子炉圧力容器の磁気的非破壊評価技術開発の進展に資する中性子照射材の動的磁気特性変化の実験データ及び磁性変化と照射欠陥との相関に関する基礎データを蓄積できた。
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Research Products
(5 results)