2008 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッドマイクロカプセルによる放射性核種の精密分離システムの開発
Project/Area Number |
20360417
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三村 均 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (10091753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新堀 雄一 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90180562)
若林 利男 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10400277)
林 拓道 東北大学, 産業技術総合研究所東北センター, 主任研究員 (20344228)
和久井 善人 東北大学, 産業技術総合研究所東北センター, 主任研究員 (10358369)
小山 真一 東北大学, 日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター, 研究員 (70421782)
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Keywords | マイクロカプセル / 発熱元素 / 白金族元素 / テクネチウム / レニウム / 分離・回収 / 分配係数 / オキソアニオン |
Research Abstract |
ハイブリッドマイクロカプセルを用いた発熱元素および白金族元素・Tc・Reの精密分離・回収について検討し、以下の成果を得た。 (1) Cs精密分離・回収プロセス : Csに選択性の高いAMP-ALG(モリブドリン酸アンモニウム内包カルシウムアルギネート)マイクロカプセルを調製した。内部に均一にAMPが包括固定可能であった。分配特性を評価し, 分離係数としてCs/Rbは10以上、Cs/Srは1, 000以上の値を示した。この結果を基に, CsとRbのクロマト分離が達成された。またMoとリン酸アンモニウムとの合成反応が容易に進行し, 回収Moの有効利用が可能である。 (2) Sr精密分離・回収プロセス : Srに高選択性を有する疎水性クラウン化合物(D18C6)を、バイオポリマーにより包括固定化した高機能性マイクロカプセルを合成した。クラウン化合物のゲルポリマー内での分散は均一であり, Srは内部まで吸着されることを確認した。分配特性を評価し, Srの分配係数は100cm3/g以上が得られ高いSr吸着性を有することを確認した。マイクロカプセルカラムによりSrを連続的に効率良く吸着分離でき, DTPA溶離剤で効率良く回収できた。高純度分離したCs, SrはK-Hゼオライトに再吸着させ、安定なセラミックス固化体が作製でき, 核種の有効利用が期待できる。 (3) 白金族元素(PGMs)・Tc・Reの精密分離・回収に関する基礎試験 Pdに選択性の高いCu系不溶性フェロシアン化物内包型マイクロカプセルを調製し, Pdの分配特性を評価した。高濃度硝酸溶液中でも1, 000以上のKd値が得られた。Cyanex302抽出剤内包型マイクロカプセルへのPdの吸着性はpH依存性があり, Ruはアルギネートゲルへの吸着性が強い。第三級アミン内包型マイクロカプセルを調製し, ReおよびTcの分配特性を調べた。いずれも1M硝酸共存下で100以上のKd値を有し, 5M硝酸で効率的な溶離が可能であった。他のオキソアニオンの吸着性はRe, Tcより低くこれら核種からの相互分離は可能である。
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