2009 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッドマイクロカプセルによる放射性核種の精密分離システムの開発
Project/Area Number |
20360417
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三村 均 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (10091753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新堀 雄一 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90180562)
若林 利男 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10400277)
林 拓道 産業技術総合研究所, 東北センター, 主任研究員 (20344228)
和久井 善人 産業技術総合研究所, 東北センター, 主任研究員 (10358369)
小山 真一 日本原子力研究開発機構, 大洗研究開発センター, 研究員 (70421782)
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Keywords | マイクロカプセル / 加水分解性核種 / アクチノイド / モリブデン / アメリシウム / 分離・回収 / 分配係数 / 分離係数 |
Research Abstract |
ハイブリッドマイクロカプセルを用いた加水分解性核種およびAmとEuの精密分離・回収について検討し、以下の成果を得た。 (1)加水分解性核種(Mo,Zr,Te)の精密分離・回収プロセス:Moに選択性の高いLIX63-ALG(LIX63抽出剤内包アルギネート,Ca形,H形)マイクロカプセル(MC)を調製した。内部に均一にLIX63が包括固定可能であった。分配特性を評価し,0.1-5M硝酸共存下でMoの分配係数(Kd)が最も高く,Moの分離係数(α)としてMo/Crは10^3cm^3/g以上の値を示した。Moの吸着容量(Ca形,H形)は0.73および0.54mmol/gであった。充填カラムでのMoの破過は通液速度の低下により向上し,5M硝酸で効率的に溶離できた。回収したMoは,不溶性フェロシアン化カリウムと反応させ,不溶性沈殿にするとCsおよびPd吸着能が発現し,廃棄物リサイクルが可能である。 (2)AmとEuの精密分離・回収プロセス:Cyanex301抽出剤を内包したマイクロカプセルを調製した。種々のアルギネート(CaALG,SrALG,BaALG,AlALG)またはアルギン酸(HALG)ゲルで包括固定して調製したMCのAmとEuのKdを測定し,Am/Euの分離係数を算出した。Am/Euのα値は2.1~5.0であるが,アルギン酸を使用した場合には20であり,最も高い分離性が得られた.充填カラムに,予めAmとEuを吸着させておき,次いで酸性度を低下させてグラジエント溶離を行った。pH2でEuが98.8%溶離し,pH1でAmが91.3%溶離し,両核種のクロマトグラフィー分離が可能であった.今後,これら両核種に吸着性の低い担体を選択するとともに,担体をよりポーラスな多孔体とし,抽出剤の油滴を微小化することができれば,より効率的な相互分離ができると考えられる。
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Research Products
(5 results)