2011 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッドマイクロカプセルによる放射性核種の精密分離システムの開発
Project/Area Number |
20360417
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三村 均 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10091753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新堀 雄一 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90180562)
若林 利男 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10400277)
佐藤 修彰 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (70154078)
林 拓道 産業技術総合研究所, 東北センター, 主任研究員 (20344228)
和久井 善人 産業技術総合研究所, 東北センター, 主任研究員 (10358369)
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Keywords | マイクロカプセル / 加水分分解性核種 / アクチノイド / モリブデン / アメリシウム / 分離・回収 / 分配係数 / 分離係数 |
Research Abstract |
模擬高レベル廃液(28 成分系, JAEASW-11E, SHLLW)を調製し、マイクロカプセル(MC)充填カラムによる選択的分離特性を評価した。さらに実廃液を用いた精密分離試験を実施し、各核種の吸着率を測定・評価した。 1)発熱元素(Cs,Sr)の模擬および実廃液からの精密分離・回収 Csに選択性の高いAMP-ALG-MCおよびSrに高選択性を有するD18C6内包MCを充填カラムを使用した。模擬廃液(SHLLW)での Cs 分配係数(K_d)は10^4cm^3/g以上で、Cs/Rbの分離が可能であった。SrのKdは2.8x10^2cm^3/gであった。実廃液を用いた場合では、Cs吸着率は96.9%と高い値を示し、耐放射線性も良好であった。 2)白金族元素(PGMs)・Tc・ReのSHLLWからの精密分離・回収 Pdに選択性の高いCuFC-MCおよびRe・Tcに高選択性を有するTOA-MC)およびMIDOA-MCを設計・合成し、充填カラムとして模擬廃液、実廃液からの分離試験を実施した。Pdの溶離に、チオ尿素が有効であり、Re,Tcの溶離には高濃度硝酸溶液が有効であった。実廃液でのCuFC-MCへのPd吸着率は98.6%、TOA-MCへのReおよびMoの吸着率は97.3%、85.9%であった。MCの耐放射線性は良好であり、構造破壊は認められなかった。 3)加水分解性核種(Mo,Zr,Te)の精密分離・回収に関する基礎試験 Moの選択的分離に、LIX63-MCを設計・合成し,充填カラムとして模擬廃液、実廃液からの吸着分離特性を評価した。逐次クロマト分離によりMoの効率的な分離が達成され、実廃液からのMo吸着率は99.9%以上であった。カラム粒子には、Mo,Zrの沈殿生成が観察された。MCの耐放射線性は良好であり、構造破壊は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
模擬廃液からの核種分離特性の評価を行い、実溶解液からの各核種の吸着率測定を実施し、95%以上の高い吸着率を有することを見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
実溶解液からのマイクロカプセルに対して、各核種の高い吸着率が得られることを見出したが、溶離、回収でのより高度な精密分離に関して、通液条件の検討、カラム設計などを実施する必要がある。また各要素プロセスのシステム化、工学的成立性および安全性の評価が重要である。
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