2008 Fiscal Year Annual Research Report
強力なピコ秒コヒーレント放射光電場による物質内電荷移動の研究
Project/Area Number |
20360421
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
奥田 修一 Osaka Prefecture University, 産学官連携機構, 教授 (00142175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 良一 大阪府立大学, 産学官連携機構, 准教授 (60155215)
小嶋 崇夫 大阪府立大学, 産学官連携機構, 助教 (70360047)
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Keywords | 量子ビーム / テラヘルツ / 赤外材料・素子 / 光源技術 / 加速器 / 光物性 |
Research Abstract |
加速器からの高エネルギー電子バンチから放射されるコヒーレント放射は、サブミリからミリ波領域における新しい光量子ビーム源として期待されている。通常のテラヘルツ光源と比べてきわめて高強度で、新しい現象の観測が期待される。本研究は、この光源を構築して次のような特徴ある利用研究を行うことを目的として3年の計画で行われ、初年度はおおむね予定通りに進められた。 (1)この光が持つ特徴的な、強力なピコ秒単一極放射光電場の発生システムを構築し、物質中に強い電場を誘起させる。 (2)この光が誘起する、固体物質中での電子、イオンの電荷移動挙動を明らかにする。 (3)ピコ秒パルス電子とこの放射光電場によるパルスラジオリシス測定系を構築し、時間分解測定により、水や水溶液の放射線化学反応過程と水分子の挙動を明らかにする。 平成20年度の研究の結果次のような成果が得られた。 (1)京都大学の電子ライナックによるコヒーレント遷移放射吸収分光計測系を利用して、ミリ波域で吸収分光測定を行った。測定対象となる固体、液体試料のサーベイを行い、一部の試料で透過スペクトルのパルス強度依存性が初めて確認された。これは新しい成果である。 (2)大阪府立大学の電子ライナックを用いて、コヒーレントシンクロトロン放射光(CSR)および遷移放射を利用する、新しい光源を構築した。今後ビーム条件と光源配置についての最適化を進める。 (3)パルス電子ビームとコヒーレント放射光の同期をとってパルスラジオリシス測定を行う、従来無かった新しい系を準備した。
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Research Products
(8 results)