2008 Fiscal Year Annual Research Report
フォーカシング斜入射小角散乱測定のための多チャンネル型湾曲楕円柱ミラーの開発
Project/Area Number |
20360425
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
鳥飼 直也 High Energy Accelerator Research Organization, 物質構造科学研究所, 准教授 (70300671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古坂 道弘 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60156966)
平井 光博 群馬大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00189820)
高橋 浩 群馬大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80236314)
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Keywords | 斜入射小角散乱測定 / 湾曲楕円柱ミラー / 集束中性子ビーム / マイクロストリップガス検出器 |
Research Abstract |
本研究は,薄い基板上に作製した高性能中性子スーパーミラーを楕円曲面状に湾曲させた湾曲楕円柱ミラーを開発し,これにより作り出される従来にない高精度の集束中性子ビームを用いた,高効率かつコンパクトなフォーカシング斜入射小角中性子散乱(GISANS)の測定装置の立ち上げを目的とする. 初年度は,以下の2種類の方式のミラー湾曲装置を試作し,各々の方式で湾曲させた中性子スーパーミラーによるビーム集束特性を評価した.1)ミラーホルダーのフラットな面上に,極薄のシム板の重ねる枚数を変えることで,中央から端部に向かってシム板の高さの傾斜をつくり,その上にスーパーミラーを押し当てる方式.2)ミラーの裏面とホルダーとの間に微小な傾斜を有するクサビを左右から差し込む方式.中性子ビームを使った評価測定の結果,後者の方式2)のミラー湾曲装置で,ガラス基板(500mm長さ×70mm幅×2mm厚)上に作られた3Qcスーパーミラー1枚を湾曲させ,ミラーより2m離れた位置で中性子ビームを約1.5mmにまで集束させることに成功した.今後,この方式2)のミラー湾曲装置を使い,種々の条件で作り出されるミラーの曲面形状および中性子集束特性を明らかにするとともに,クサビの差し込み量を手動のネジ回しからパルスモーターの自動制御に切換え,ミラーの湾曲形状制御の自動化を進める. また,フォーカシングGISANS測定装置のコンパクト化に必須となる高分解能の位置敏感型二次元中性子検出器として,マイクロストリップガス検出器(MSGC)の検出部本体を試作した.
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Research Products
(2 results)