2010 Fiscal Year Annual Research Report
熱中性子ビームを利用した中性子線量計の2次元微分校正法の開発
Project/Area Number |
20360426
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
原野 英樹 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 主任研究員 (60302775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 哲郎 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 研究員 (70415793)
瓜谷 章 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (10213521)
松江 秀明 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (30354864)
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Keywords | 熱中性子 / 中性子飛行時間 / 2次元測定 / チョッパー / 線量 / 校正 / JRR-3M |
Research Abstract |
本課題では、熱中性子に対して中性子線量計を高精度に校正するために、原子炉からの熱中性子ビームを利用して、従来の積分的な熱中性子校正法とは異なり中性子飛行時間法を応用して、測定時間、エネルギー軸に対する変動影響を反映させた微分的な評価を行う新しい校正法(2次元微分校正法)の開発を行った。日本原子力研究開発機構JRR-3Mの即発ガンマ線分析装置のビームラインに、透過型^3He計数管、ビームチョッパー、^6Liガラスシンチレータを用いた小型ファイバー検出器をインストールした。これにより、中性子飛行時間法により中性子スペクトル測定が可能になった。また基準となる中性子フラックスは金箔放射化法によって決定された。ビームライン上に校正が必要な中性子検出器を設置し、得られる波高スペクトルと中性子飛行時間を2次元同時測定することにより、微分的な手法により熱中性子領域の検出効率曲線が得られる。球形^3He比例計数管、本研究の校正方法を実証するための試験を行い、0.5eV以下の熱中性子領域で検出効率曲線を得ることができた。^3He比例計数管の検出効率曲線は^3He(n,p)反応断面積曲線と相対的に一致した。さらに、Si検出器を用いた中性子線量計に対しても試験を行い、0.5eV以下の熱中性子領域で検出効率曲線を求めることができた。
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