2010 Fiscal Year Annual Research Report
化学蓄熱機能のハイブリッド化による高温プロセスの高効率化
Project/Area Number |
20360428
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
加藤 之貴 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 准教授 (20233827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
劉 醇一 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教 (70376937)
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Keywords | 化学蓄熱 / ハイブリッド / 高温プロセス / ヒートポンプ / 排熱回収 |
Research Abstract |
今年度は、膨張化グラファイトと化学蓄熱材の材料調整の最適化を進め、同力学的解析を進めた。(1)熱天秤、熱伝導測定装置による新開発材料の評価を行った。反応性、熱伝導性の観点から最適な条件を検討した。さらに(2)得られた試料を用いた充填層について反応性試験、熱伝導性評価を行い、化学蓄熱ハイブリッドシステムの高性能化の指針を検討した。 (1)化学蓄熱材料の熱伝導性と反応性の最適化:本研究では化学蓄熱試料に高伝熱性を持つ膨張化グラファイトを混合することを提案した、本年はその反応材料調製条件の最適化を進めた。膨張化グラファイトの重量混合比の変化と反応性の関係を検討した。その結果。水酸化マグネシウム:膨張化グラファイトの重量混合比1:1から4:1程度が反応性、伝熱性の点で適当であった。熱伝導率計を用い複合蓄熱材料の熱伝導率を測定し、伝熱性の向上が確認できた。 (2)反応器の開発:(1)で開発された高い反応性と高い熱伝導性を備えた複合化学蓄熱材料を充填層型反応器に充填し、化学蓄熱性能を評価した。蓄熱装置の反応特性、蓄熱特性、熱出力特性を実験的に検討した。脱水反応および水和反応時の反応層内の温度分布の径時変化を熱伝対で測定し、熱入出力とともに記録を行った。膨張化グラファイトの混合により、伝熱性が大幅に向上した。とくに水酸化マグネシウム脱水反応(化学蓄熱装置の蓄熱操作に相当)で効果が見られ、従来より迅速に脱水反応が進むことが確認された。測定結果より化学蓄熱ハイブリッドシステムに従来にない、高温熱の長時間蓄熱が可能であることを示した。
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Research Products
(11 results)